焼肉ライクの朝焼肉は、専用ロースターで1人焼肉を味わえる(筆者撮影)

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第18回となる今回、訪れたのは「焼肉ライク」です。

ハンバーガーショップや牛丼チェーン、ファミリーレストランなど、大手飲食チェーンがしのぎを削っているジャンル、それがモーニングです。

集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューの数々は、コスパ抜群かつ店の特色が強く現れ、どれも魅力にあふれています。

今回は変わり種モーニング、「焼肉ライク」の朝焼肉をご紹介します。今から働く人たちはもちろんのこと、朝まで働いた人たちにもおすすめのメニューです。

焼肉ライクの「朝焼肉セット」580円


生玉子か納豆かを選べる「朝焼肉セット」580円(筆者撮影)

「焼肉ライク」は、焼肉のファストフード店をコンセプトに、1人焼肉を提案している焼肉チェーンです。

焼肉は複数人で食べに行くという概念を覆す、カウンターに座って1人用ロースターで肉を焼くスタイルの気軽さや、価格設定の手頃さで支持を得て、2018年の創業からたった5年で約90店舗を展開する人気チェーンに成長しました。

「焼肉ライク」の朝限定メニュー「朝焼肉セット」の価格は、税込580円です。提供時間はオープンから朝11時までで、セット内容は、

・バラカルビ(牛肉)
・ウインナー
・玉ねぎ
・ごはん
・わかめスープ
・味付海苔
・生玉子もしくは納豆

となっています(こちらのメニューは、一部店舗で実施され、店舗により価格・内容が異なることがあります)。

ごはん大盛り無料、ごはん&スープはビールかレモンサワーに変更可能


ごはんは大盛り無料、ごはんとスープは、追加料金なしでビールもしくはレモンサワーに変更可能(筆者撮影)

今回利用した店舗では、ごはんの大盛りは無料、さらにおかわりごはんも無料です。30円プラスでごはんをミニチョレギサラダにも変更できるので、糖質制限中の人にもおすすめ。

さらに、画期的だったのが、ごはん&スープをビールもしくはレモンサワーに無料で変更可能な点です。

今から働くからもりもりごはんでパワーチャージしたいという人も、ヘルシー志向な人も、朝まで働いて仕事終わりにちょっと一杯という人も満足できる、さまざまなニーズを満たす変幻自在なメニューになっています。

私が利用した店舗は、10畳ほどしかない店内にカウンター3列とテーブル席2つがレイアウトされ、約20席がひしめきあいます。通路も狭く両サイドのカウンター席が埋まると人が通るのもギリギリな程なのに、不思議なことに居心地は悪くないのです。


カウンター席はパーテーションで仕切られ、パーソナルスペースが確保されている(筆者撮影)

カウンター席の隣同士も近いのですが、両サイドがパーテーションで仕切られているので、隣の視線は気になりません。すべての席に自分専用のロースターが設置され、自分専用のタブレットが置かれ、自分専用の配膳スペースが完備されています。

食べることに没頭するための工夫とつくりつけの設備

狭いながらもパーソナルスペースがきちんと確保され、食べることに没頭するための工夫が凝らされていてるので、ストレスを感じません。


専用ブースに整然と並んだ調味料。タレの種類も豊富でレモン汁やオリジナルふりかけまで用意されています(筆者撮影)

さらに、整然と並んだたくさんの調味料(これは隣の席と共用になります)や、席の下に用意された割り箸とウェットティッシュを収納するための引き出しなど、ほかの店にはないつくりつけの設備は、ロボットアニメのコックピットに座っているような、ワクワクした気分にさせてくれます。

自分専用のロースターを自分で点火して、火加減も調節して、セルフサービスを満喫しながら、肉を焼くのはなかなかに楽しく、回転寿司的なレジャー要素を感じます。


すべての席のテーブル下には専用引き出しが設置されている。お箸とウェットティッシュがスタンバイ(筆者撮影)

ロースターからは煙もあがらず、店内は狭いながらも空気のこもった感じもなく、非常に快適です。

焼肉店特有の臭いが服に染み付くようなこともないので、朝焼肉を食べてから出勤しても、得意先まわりをしても、「こいつ焼肉食ったな」とバレることもありません。

専用のお盆とロースターで快適な朝ごはん

タブレットで注文して1分ほどで「朝焼肉セット」が、お盆で運ばれてきました。

テーブルの前にあるくぼみにお盆がぴったりはまるギミックが採用されています。ちょっとしたことなのですが、これが非常に快適です。


カウンターのくぼみにぴったりはまる専用のお盆。上にはお肉やごはんがところせましと並んでいます(筆者撮影)

「朝焼肉」はスタートを切る前にさまざまな下準備が必要です。肉を焼きはじめる前に、生玉子を割り、海苔を袋から出し、スープのふたを外し、小皿を並べてタレを注がなければなりません。こまごまとした食事前の作業中にお盆がガタピシしないのは、ありがたいものです。

メインの焼肉はバラカルビが5枚、ウインナーが2本。朝は少し少なめにという人にはぴったりなボリュームですし、税込580円という価格なら懐具合が寂しいときでも気軽に焼肉が味わえます。

物足りないという人は、税込110円で肉を50g増量、税込220円で100g増量と、通常メニューよりもお得な価格で、腹具合にぴったりな量をオーダー可能です。

弱めの火加減でもあっという間に火が通る


専用トングはあらかじめテーブルにセットされています。先端が細いので薄い肉もつかみやすく、先端がテーブルにつかないデザインで衛生的(筆者撮影)

あらかじめテーブルに用意されている専用トングを使って、ロースターで焼いていきます。ロースターの火力が強く火加減を弱くしても、あっという間に火が通ります。


専用ロースターは1人焼肉にぴったりの小さめサイズ(筆者撮影)

焼肉屋でおなじみのわかめとごまが入ったシンプルな牛だしスープは、コクもありつつあっさりしているので、箸休めにぴったり。ごはんを入れればクッパに早変わりします。


焼肉でこってりした口内をさっぱりさせる、優しい味の牛骨ベースのスープ(筆者撮影)

店内のBGMはハードロック。1980年代後半から1990年代半までのヒットナンバーが中心で、エアロスミスやボン・ジョヴィ、ガンズ・アンド・ローゼズを聴きながら焼肉を食べると、気分はノリノリ、パワーがみなぎってきます。


熱源と網の距離が近いのであっという間に焼けます(筆者撮影)

納豆か生玉子か、私が生玉子を選んだ理由

「焼肉ライク」の「朝焼肉セット」は、納豆と生玉子のどちらかを選べます。

納豆のほうが原価が高いからと、今までは納豆を選んでいたのですが、肉を焼くという行為は実はとても忙しく、毎回お箸にからみついた納豆のネバネバを断ち切るためにお箸をくるくるするほんの数秒で肉を焦がしそうになってとても焦るので、今回は生玉子をチョイスしました。


ごはんに味付海苔に生玉子。和朝食の定番メニューです(筆者撮影)

これが大正解で、味付けなしのたまごかけごはんを準備しておき、タレをたっぷりつけた焼肉をごはんと一緒に食べると、脂身の多いバラカルビがまろやかになり、朝焼肉ならではのぜいたくな味わいを楽しめます。


玉子かけごはんをバラカルビで包んでパクリ。たっぷりタレを絡めた肉との相性は抜群です(筆者撮影)

焼肉ライクのモーニングメニュー一覧


焼肉ライクの朝焼肉メニュー一覧(筆者撮影)

メインメニューが7種類
・朝焼肉セット(生玉子Ver)通常 税込580円
・朝焼肉セット(生玉子Ver)肉増し50g 税込690円
・朝焼肉セット(生玉子Ver)肉増し100g 税込800円
・朝焼肉セット(納豆Ver)通常 税込580円
・朝焼肉セット(納豆Ver)肉増し50g 税込690円
・朝焼肉セット(納豆Ver)肉増し100g 税込800円
・たまごかけごはんセット 税込310円

単品追加できるサイドメニューが5種類
・味付海苔 税込70円
・生玉子 税込80円
・キムチ 税込110円
・納豆 税込110円
・おかわりごはん 0円

今回利用した店舗は、サラリーマンのメッカと呼ばれる街にある駅前すぐの路面店です。平日の朝10時頃に訪れたのですが、客席の半分以上が埋まっていました。

「朝焼肉」は、コロナ禍の夜間の営業時間短縮をきっかけに、開店時間を朝11時から7時に前倒しして、販売を開始しました。もともと、行列ができる人気店ではあるのですが、朝時間も客足は好調なようです。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性がありますので、最新情報は企業の公式サイトをご覧ください。また紹介するチェーンにより、メニューの価格が店舗によって異なる場合があります。詳しくはお近くの店舗にお尋ねください。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)