「ぽしゃる」とは、物事が失敗する、予定が変更する、うまくいかない、崩れる、破綻するなどの意味として使われている日本語ですが、「この言葉は実はフランス語由来なのではないか」という説があります。

フランス語で帽子を意味する「シャッポ」がその語源に当たるのではないかとする考え方です。手の打ちようがないお手上げ状態、参ったという状態を言い表すとき「脱帽する」といいますが、もともと日本古来の言い方は、帽子ではなく「カブトを脱ぐ」という言葉がありました。時代が下り帽子が日本で普及することによって、「帽子を脱ぐ」にかわり、

そこにフランス語を使って、さらに前後の言葉がひっくりかえって(倒語)「ぽしゃった」というようになったといわれています。

最近では「ぽしゃる」とひらがな表記されることも多いようですが、古い例はすべて「ポシャ」がカタカナ表記となっているため、「シャッポ」語源説は説得力を持ちます。

一方、京都地方の方言で、「失敗」のことを「しゃっぽん」という地域があり、前後の言葉がひっくりかえって生まれたという説もあります。また、京都市内では、「ぽしゃる」とは、土砂降りのように、雨が激しく降る様子を表す言葉のようです。このことから、「ぽしゃる」の元々の語源を、京都の言葉に求める説もあるようです。

こんな風に、語源については、詳しいことがよくわかっていない「ぽしゃる」という言葉ですが、最近、筆者の個人的な感想としては、あまり聞かれない言葉になってきたように思います。少し若い世代に「ぽしゃる」といっても、どうもピンときてくれないことの方が多くなってきました。

筆者世代では、子どもの頃に大人がよく使っていたのを聞いていたので、あまり違和感を得ませんが、こんな風に、いままで聞きなじんできた日本語が使われなくなっている様子をまざまざと見せつけられると、寂しいものがありますよね。

参考