自身の妊娠がきっかけで育児などの漫画を描くようになったしゃけなかほい(@syake8989)さん。お店を利用するちょっと変わったお客さんやクレーマー対応したエピソードなどコミカルに描き、今後の展開に注目したい作品がそろう。今回は、Twitterにて投稿されている中からエッセイ漫画「スーパーのレジでバイトしていた時の話〜噂のお客様〜(12)(13)」を紹介するとともに、著者のしゃけなかほいさんに本作に登場するお客さんについても詳しく聞いた。

【漫画】本編を読む

アルバイト先のスーパーには、夕方のピークが去った頃におじいちゃんが一人で買い物に来ることがある。ジャケットにパンツ、ハンチング帽を被り、おしゃれな恰好をしたお客さんだ。

他のレジが空いていてもいつも私が担当するレジに並ぶので、孫にでも会う気持ちなのかなと心の中で思っていた。きっとかわいらしい奥さんに先立たれて、気分転換にたまにスーパーへ来るのかなと、当時の私は勝手にそのお客さんの人間像を想像していたのだ。

ある日、いつものおじいちゃんが大きな紙袋を抱えてしゃけなかほいさんのもとへやって来る。そして、「これ、よかったらどうぞ。いつもありがとう」と言って、その紙袋をしゃけなかほいさんに渡す。紙袋の中には、なんと高級そうな和菓子がたくさん入っているではないか!?

驚いたしゃけなかほいさんは、「いいんですか?こんなにたくさん」と申し訳なさそうに言う。すると、そのおじいちゃんは「わしは中国地方の○○寺の坊主でな。たまにこっちへ教えに来とるんじゃ」と話す。そして、「こういうものはよく貰うのじゃけど、食べきれんし食べて!食べて!」と言い、その場から去って行く。

しゃけなかほいさんは家に帰り、早速インターネットでそのお寺について調べてみる。すると、広大な土地の歴史あるお寺のお坊さんだったことが判明!!今まで普通に接客していたが、実はすごいお客さんだったことを知り、驚くばかりであった。

いつも利用するスーパーに高級な和菓子を差し入れするお客さん。忙しく働く従業員にとっては、有り難いの一言に尽きる。

SNSやブログでコミカルなエッセイ漫画を投稿しているしゃけなかほいさん。今回は、本作に登場したお客さんについてインタビューした。

――しゃけなかほいさん自身、このお客さんについてどのような印象でしたか?

「このお客さんは夜遅くにいつも一人で買い物に来て、おしゃれして来るので覚えていました。歳をとってもおしゃれなおじいちゃんは素敵だなと思い、いつもレジに来てくれるのが密かな楽しみでした」

――歴史のあるお寺のお坊さんと知って、どのような気持ちでしたか?

「このおじいちゃんはすごい方でした!お寺のお坊さんと聞いてこじんまりした場所を想像していましたが、調べたところ広大な敷地で歴史もあり、当時の私は驚いたことを覚えています」

取材協力:しゃけなかほい(@syake8989)