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家事や育児、介護などの分担をめぐって、家族間で言い争いが増えて、いつのまにか一緒にいて心地よい存在だったはずの家族が「つかれる存在」になってしまった……そんな話を聞くことがよくあります。
どうして自分の不満が家族に伝わらないの? どうしたら「つかれない家族」になれるの? そんなふうに「つかれる家族」と「つかれない家族」を考察するこの連載。
数回に分けて、石川県在住のある夫婦の育児生活を紹介しています。南極や砂漠などの極地マラソンを完走してきた夫、フィリピン支援団体の代表を務める妻、パワフルに共働きをしつつ、夫婦仲良く双子を育てるヒケツとは?
第1回は「育児と極地マラソンの共通点と相違点」(記事はこちら)、第2回は「育休中のプチ移住」(記事はこちら)、第3回は「双子親の大変フレーム」(記事はこちら)、そして今回は、夫婦のモットー「型破りな夫婦でいよう」についてです。
夫婦一緒に育児をスタート
時短家電や便利グッズも活用する
夜泣きはなくなり、寝かしつけいらず
遠方の家族からの助けも
「型破りな夫婦でいよう」
災害支援で訪れたフィリピンで感じた「予感」
気持ちの強さを尊敬し、活動を応援したい
石川県での極地レース開催の際も協力
基本はホント感謝してます!!
災害時に訪れたフィリピン・レイテ島の人々。この笑顔に友紀さんは逆に救われ、支援NGOブルードットをスタートさせた(写真提供:友紀さん)
お二人の育児生活は始まったばかりで、まだまだ試行錯誤段階です。実は、取材時は「寝かしつけいらず」だった双子くんも、最近は睡眠問題が大変だそう(クリアしたはずの問題がまたぶり返す、それもまた育児あるある!)。
「普通」に縛られすぎると不自由になることも
ただ、あいかわらず夫婦でタッグを組んだ育児は続けていて、剛史さんの家事育児の献身ぶりについては、友紀さんは「双子親でも、ここまでやってくれるパパはなかなかいない」と大絶賛。さらに「私は彼に甘えすぎかも。子どもたちのパパっ子ぶりもすごくて」とそんな心配が出てくるレベルです。
そんな剛史さんは「“パパの育児参加”という言葉がありますが、“参加”という言い方はおかしい。自分の子どもの育児に参加するのは当たり前。だいたい女性は“参加”なんて言葉使わないですよね。男性だけが育児をすると褒められるのもよくわからない。ただ、やっていることを妻に感謝されるのはうれしい。小さい子の育児をしてると、家で会話でコミュニケーションできるのは妻しかいない。だからパートナーとの関係は大事ですよね」と言います。
そして、今回いちばん面白いなと思ったのが、「型破りな夫婦でいよう」という夫婦のモットー。
日本は「普通」の型からはみ出ることを恐れる人が多くいる国です。夫婦喧嘩でも「普通はしないでしょ!?」というフレーズが使われることがよくあります。
でも、長い育児生活で「普通」に縛られすぎると、ストレスがたまり、不自由になることもあります。夫婦の性格によっては、この夫婦のように、むしろ型破りを目指すほうが、家族全員が幸せになれるかもしれません。このご夫婦は、今後も試行錯誤しつつ、いろんな型破りな夫婦生活を発信してくれそうな気がします。
というわけで、今回のつかれないヒントは……
普通の結婚生活、幸せなはずなのになぜかモヤモヤ……
↓
誰しもが「普通」が幸せとは限らないし、
「普通」は時代や場所によって大きく変わる。
「自分が幸せなスタイル」を探してみては?
この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
(ハラユキ : イラストレーター、コミックエッセイスト)
外部リンク東洋経済オンライン