タイを訪れていた観光客がバンジージャンプに挑戦したところ、足に結び付けていたロープが切れてしまった。湖に向かってジャンプした観光客は水面に強く叩きつけられ意識を失いかけたが、待機していたスタッフにより救助され病院に運ばれた。「思い切り殴られたようだった」と当時を振り返る観光客の身体には、痛々しい痣が残っていたという。米ニュースサイト『New York Post』などが伝えている。

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衝撃的な事故は今年1月、タイ東部チョンブリー県パタヤにあるサファリパーク「Changthai Thappraya Safari and Adventure Park」で発生した。このサファリパークではゾウなどの動物と触れ合うことができるだけでなく、実弾射撃や4輪バギーの乗車体験、ジップラインなど様々なアトラクションが用意されており、その中に湖へ向かって飛び降りるバンジージャンプがあった。

香港から観光で来ていたマイクさん(Mike、39)は当初、射撃の体験をするつもりだったという。しかし一緒にいた友人がバンジージャンプをしたのを見て、勇気を出して自分も挑戦することにした。当時の様子をマイクさんの友人が地上から動画で撮影しており、高さ約30メートルの場所に設置されたジャンプ台から、両腕を広げて飛び降りるマイクさんの姿が確認できる。

マイクさんは高さへの恐怖から目を閉じたまま飛び降りたと言い、自由落下をしていた間もずっと目を閉じていたという。自分の前にバンジージャンプを終えた友人を見ていたマイクさんは、ロープが伸びきり逆さまの状態でバウンドする時に目を開けようと考えていた。しかしバウンドする前に脚に繋いでいたロープが突然切れてしまい、マイクさんはそのまま湖へ着水してしまった。

一度ロープは伸びきっているように見えるが完全に落下の勢いを相殺することができず、マイクさんは水面に強く叩きつけられ、周囲には激しい水しぶきが上がっている。マイクさんは両足を束ねるようにしてロープで固定されていたが、何とか水面に顔を出すことができた。待機していたスタッフにより救出されたマイクさんは、近くの病院に搬送された。

当時の状況について、マイクさんは「あまりの激痛に眩暈がしました。両腕を伸ばしていたので、脇の下が一番痛かったですね。身体の左側から着水したので左半身のケガが酷く、誰かに思いきり殴られたかのようでした。もし泳げない人だったらもっと大変なことになっていたと思います」と振り返った。

マイクさんは一番痛みを感じたという左脇の下を撮影した写真を公開しており、そこには広範囲が赤黒く内出血する痛々しい患部が写っていた。脚にも痣が残り、目が腫れるなどの症状もあったが、幸いにも命に別状はなかった。マイクさんは帰国してからも病院で理学療法を受け、その治療費は合計5万香港ドル(約83万円)に上ったが、この金額は旅行保険でカバーできたという。

今回の事故を受けて、サファリパーク側はバンジージャンプ代とタイで受けたレントゲン検査や超音検査を含めた治療費として1万バーツ(約3万8千円)を返金すると公表した。同サファリパークの創設者Nithit Intimさんは「事故が発生した場合には医療費を支払いますが、損害賠償などその他の費用についての支払いはできない」と話している。またマイクさんはバンジージャンプを行う前、免責同意書にサインをしていたが、同サファリパークは今回の事故は運営側の責任と考えており、香港に帰国してからも医療費が発生した場合には領収書があれば医療費の支払いを行うとも公表している。

画像は『CNN Travel 2023年3月23日付「Tourist survives bungee jump fall in Thailand after cord snaps」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)