3月24日、都内でおこなわれたドウェイン・ジョンソンの主演映画『ブラックアダム』デジタル配信/ブルーレイ&DVD リリース記念イベントに、プロレス引退後の芸能イベントとしては初となる武藤敬司(60)が、長州力とともに登場した。

「先月までプロレスラー、いまはただのオジサン。武藤です、よろしくお願いします」

 と挨拶した武藤は、2023年2月21日の東京ドーム大会『KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE 〜HOLD OUT〜〜』で引退試合をおこない、38年のレスラー生活に幕を下ろしている。

 引退試合で、武藤の最後の相手を務めたのは、新日本プロレスの看板選手である内藤哲也だったが(内藤戦後、蝶野正洋とのサプライズ対戦も実現)、じつは内藤の名前が発表されるまで、ファンの間では、対戦相手としてさまざまな大物選手の名前が予想されていた。

 その中のひとりとして、米WWEで絶大な人気を誇ったザ・ロック(愛称「ロック様」)の名前があった。言うまでもなくザ・ロックとは、ドウェイン・ジョンソンのリングネームである。

 現実的に考えれば、いまやドル箱ムービースターとなったザ・ロック戦の実現は、ウルトラCどころの話ではなかったが、武藤は化身の「グレート・ムタ」として米国のマットでも暴れ回り、海外でもレジェンド扱いを受ける存在。さらに武藤の所属する団体・ノアには、豊富な資金力を誇るサイバーエージェントがスポンサーについており、「もしかしたら、もしかするのでは?」と、ビッグサプライズ実現にわずかな期待を寄せるファンは少なくなかったのだ。

 実際にオファーをしたのかどうかは、ファンの間でも気になるところであったのだが、武藤は冒頭のイベントで、次のように、さらっと告白。

「本当は引退試合の相手として、いちおうオファーしてみたら、あまりにも(ギャラが)高すぎて、折り合いがつかなかったっス」

 と発言し、提示された額は「数十億」だったと明かした。

 さすがは、世界的スーパースターのロック様といったところだが、実際にオファーしていた武藤は、ギリギリまでサプライズを実現させようとしていたことがわかる。

 さらに、ザ・ロックが映画のプロデューサーも務めていると聞いた武藤は「製作に関わっているんだったら、ぜひ俺も、プロレス引退したんだから、次の映画ぐらい呼んでほしいっスね。ドウェイン・ジョンソンのプロレスの必殺技『ピープルズ・エルボー』って、あれ、俺のパクりだからね! まだロイヤリティ、もらってないんだから」と暴走。

 司会者から「今作に出るとしたら、どんな役で出たかった?」と問われると「グレート・ムタそのもので出してほしい。毒霧しますよ」と最後まで武藤節は止まらなかった。

 グレート・ムタは魔界へと還り、武藤敬司もプロレスは引退したが、この先、ハリウッド映画の中でグレート・ムタが復活! なんてことが、もしかしたらあるかも?