メジャー1年目で異例WBC出場で世界一「自分にとって大きかった」

 レッドソックスの吉田正尚外野手が24日(日本時間25日)、米フロリダ州フォートマイヤーズのキャンプ地で記者会見を行った。野球日本代表「侍ジャパン」の一員として第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に輝いた経験について「日の丸を背負って戦うことのプレッシャーはあったが、1球1球の重みを感じてプレーできたことはよかった」などと振り返った。

 侍ジャパンでは、エンゼルスの大谷翔平投手と初めてチームメートとして一緒に戦った。それまで面識はなかったが、合流後に接してみて様々な発見があったという。「たぶん見えている世界が違うと思います。なぜかというと、二刀流をしていて人と動き方も違う。自分の身体を本当によくわかっているし、コントロールしているなという印象ですね。誰かの指示というより、やったことがないので、自分がたぶん一番自分のことを理解して、行動、プレーしているというのを感じましたね」と印象を語った。

 大谷は米国との決勝戦で1点リードの9回にマウンドに上がり、2死からエンゼルスの同僚トラウトを空振り三振に仕留めて試合を締めた。ベンチからこの光景を見ていた吉田は「ラインナップをみたときに、最後に(トラウトに)回るとベンチでみんなが言っていた。本当に最後ああいう形で、しかも三振を取って。本当にスーパースターだなと思いました」と感心。打撃のアドバイスも受けたようで「ピッチャーの対策だったり、待ち方だったり、メジャーというより、このピッチャーに対して、という時のアドバイスをもらいました」と、親交を深めた。

 自身も大会記録となる13打点を挙げる活躍を見せてベストナインにも選出された。5年総額9000万ドル(約65億3000万円)という大型契約でレッドソックスに加入した新戦力への注目度は以前から高かったが、WBCでの活躍を受け、SNS上でのレッドソックスファンからの期待も一気に上昇した。

 異例とも言えるルーキーシーズンでのWBC出場を決めたことについて「(メジャー移籍)1年目で難しい選択だったけれど、決してマイナスなことではないと思って選択した。打席数も30打席以上立って帰ってこられましたし、負けられない戦いの中でプレーできたことは自分にとって大きかった。注目していただけるのはありがたい」と収穫を口にする。

 昨季、オリックスで日本一に輝いた吉田は「(WBCとワールドシリーズの)両方で世界一っていうところを大きな目標としてはいる」。レギュラーシーズン開幕まで1週間を切り、調整は最終段階。もう1つの「世界一」という目標に気持ちを切り替えた。(Full-Count編集部)