こんにちは、アラフィフ作家のにらさわあきこです。

別人級のメイクテクを持つ二十歳の女子大生、姪のキョウカからノウハウを盗む(まなぶ)このコラム。今回は、メイクの土台作りの要ともいえる「ファンデをどうしているか」問題から行き着いた「顔を拭くタオルの選び方」についてです。

ファンデを使うのは最低限に

メイクの土台作りというと、まずは「ファンデーションをどうしているか」ということになりますよね。しかしキョウカは若いせいなのか、「ファンデーションは、ほぼ使っていない」とか。土台は日焼け止め下地とパウダーで仕上げ、ファンデーションは例の眉部分だけ、描き足した色をしっかりと定着させるために、部分的に使っていると言うのです。

なお、「例の眉部分」とは、キョウカ独特の眉づくりのことで、キョウカは理想の眉を描くために、自眉のほとんどを剃って描いています。(→詳しくは、コラム3をご参照ください)

洗顔後はティッシュを使用

しかし「ファンデを使わないでいい」というだけあって、キョウカは美肌です。キョウカの素顔と言ったら、それはもうみずみずしくて、キメが細やかで、白くて、うっとりするほどです(←オババカ。笑)。なにか秘密があるのでしょうか。

キョウカに、お肌のためにやっていることを聞いてみたところ、「洗顔には気をつけているよ。ゼッタイ摩擦(まさつ)を起こさないように、ていねいに時間をかけて洗うし、拭くときも、拭き取ると摩擦が起こるから、ティッシュを当てて水分を取ってるよ」

……なんと!

ティッシュで、顔を拭いていたとは! 驚きです。

しかし、納得もしました。というのも、ウチのゴミ箱は、どう見ても普通以上にティッシュだらけなのです。しかも、キョウカはよくその辺をフラフラとティッシュ片手に歩いているのですが、あれは汗を拭いているのではなく、洗顔後の水を吸い取ってたのかと急にとっても腑に落ちました。

ティッシュでオフは良いのか?

ちなみに、私はティッシュではないのですが、以前タカミ化粧品を取材したときに勧めていただいた水分ふき取り用のコットンクロスを常備しています。

「タカミ美肌コットンクロス」(30枚入り990円)

このアイテムはお肌に負担をかけないために開発されたものなので、実際お肌に優しいです。でも、毎日使っているのはフェイス用タオルです。やはりタオルが使い慣れているので、タオルを選びがちなのですが……。

メッシュ状で、肌にやさしい。

実際のところ、顔を拭くアイテムの選び方は? 選び方によって、メイクの仕上がりが違ってくるほどなのでしょうか?

今回もベテラン・メイクアップアーチストの藤岡ちせさんに教えてもらいました。

「顔を拭く時に、摩擦を起こさないのは、やはり大事です。摩擦を起こさないためには、肌に置いただけで水分を吸収してくれる吸水性の良さが大きなポイントになりますね。だから、材質は紙でもタオルでもどちらでもいいのです。とはいえ、キョウカちゃんのようにティッシュを使うと、拭き取ることができづらく、そっと置いてオフすることになるので、摩擦を起こしづらいと言う意味ではいいのかもしれません。また、ティッシュは一回ごとに使い捨てるので雑菌が生まれにくいと言う意味でも、オススメかもしれません」(藤岡さん、以下・同)

藤岡さん推薦のタオル「Perfec10 for Face」(3,300円)

「ただ、一般的にはタオルを使う場合が多いですよね。では、そのタオルをどう選べばいいかというと、今言ったように『吸水性』『雑菌の除去』が2大ポイントになります。

吸水性について言うと、柔らかさに注目して選ぶといいと思います。良いタオルは、撚りやループを工夫して柔らかく仕上げていますので、軽く顔に置いただけでたくさん水分を吸ってくれます」

買った状態をキープするために、洗濯にも気をつける。

「また、買った時の良い状態をキープするのも大事です。ゴワゴワしてしまったら、それこそお肌を傷めますから。ゴワゴワさせないためには、お洗濯を意識するといいでしょう。タオルは一回使ったら、洗う。その際にはネットに入れて、丁寧に洗いましょう。そして干す時は、陰干しにしてください。また、柔軟剤は繊維をコーティングして吸水性を阻害しやすいので、タオルによっては使わないほうがいいでしょう。

これらを意識して実行すると、タオルは良い状態をキープすることができますし、逆に言うと良い状態でないタオルで顔を拭いていると、お肌を最高の状態にしておくことができません。すると、メイクのノリも違ってくるので、いま使っているタオルが微妙だと思われた方は、即、タオルを丁寧に洗うようにしてみてください。メイクのノリが良くなって、違いが感じられると思いますよ」

なるほど、メイク上手になりたいと思ったら、タオルの選び方や洗濯の意識を変えてみるのも実は大事だったのですね。キョウカのティッシュ使いから、思わぬ良い情報が得られました。藤岡さん、今回もありがとうございました!

監修・藤岡ちせさん

Fujioka Chise:biography (chisefujioka.com)
1993年〜ヘアー&メイクアップアーティストとして活動開始。人気タレントやミュージシャンなどを担当する他、女子アナにメイクを教える講師活動を行うなど幅広い分野で活躍中。Paja*Patiに所属。

●自己紹介

キョウカ
二十歳の女子大生で、にらさわの姪。専攻はメディア論だが、専門の勉強以上にメイクに時間と情熱を注いでいる。欲望にフタをしないタイプで、別人級のメイクを実現する。

にらさわあきこ
文筆家、時に美容研究家。美肌と美ボディ作りを追求していて、普段はノーメイク。著書は、『未婚当然時代』(ポプラ新書)、『婚活難民』(光文社)ほか多数。