野球のワールドベースボールクラシック(WBC)で、日本代表は無敗で勝ち進み、決勝戦でアメリカを3-2で下し、2009年の第2回大会以来の優勝を果たした。最後は大谷が投手として登板して締め括った。

今日の決勝戦については、午前8時スタートだったため、どうしてもリアルタイムで試合を観戦したいと思うあまり、「体調不良」「家族が病気」などと嘘をついて、年次有給休暇(有給)をとって会社を休んだ人もいるようだ。SNSでは「会社ズル休みしました」「WBC決勝やっぱり面白い 仕事ズル休みしてよかった」などの投稿があった。

野球ファンであればそこまでしても試合を観たい気持ちはわかるかもしれないが、嘘をついて休んだことが会社にバレてしまった場合、どんなリスクが待ち受けているだろうか。

●嘘ついて休むのは「ダメ」

有給休暇は労働基準法で認められた従業員(労働者)の権利なので、原則としていつ行使するかは自由で、特に取得の理由を会社に説明する義務もない。

もっとも、有給休暇を従業員に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、会社は、日程を変更(時季変更)することができる。

「体調不良」「家族が病気」などという嘘は休む直前でないとつけないことから、当日に急な連絡をするということになるだろう。そのような有給の取得は、会社側の適正な時季変更を妨げるおそれがある。

また、このような嘘をつくこと自体が職場の秩序を乱すような問題行為であることは明らかで、就業規則の規定の有無にかかわらず、会社へ虚偽理由で申告すれば、信義則上の義務違反にもなりうる。

会社の就業規則等に懲戒処分についての定めがあるか否かにもよるが、嘘をついた従業員は、一般的にはけん責や始末書提出のような懲戒処分を受けることはありそうだ。

追記:記事を一部修正しました(3月22日12時50分)