この記事をまとめると

■ひき逃げのニュースをよく目にする

■正式には「救護義務違反」に該当

■救護義務について詳しく解説する

救護義務違反の点数は35点

 高齢者ドライバーも含めて、運転中に人に危害を与えたというニュースをよく目にするが、さらにそのまま行ってしまったという例も多い。とくに最近は「当たったとは思わなかったからそのまま行った」などとすっとぼけた感じの返答あったりする。目撃者がいたり、クルマがひどく損傷しているにもかかわらずだし、最近は街中に監視カメラがあったりして、バレバレでもだ。

 これはひき逃げにあたるわけなのだが、正式には「救護義務違反」と呼ばれるものに該当する。ひき逃げや救護義務などと言われるとひどい事故に思えるが、かるく人にぶつかっても場合によっては適応されることがあるので要注意だ。

 救護義務の定義を詳しく紹介すると、まず交通事故を起こした場合、関係する車両の運転手や同乗者は、クルマを停止させて、負傷者を救護。さらに交通に危険がないように必要な措置を講じるように定めている。加えて報告義務もあって、すぐに最寄りの警察署や警官に事故が発生した日時と場所、負傷者の有無と程度、車両の状態や現在の状況を報告する必要がある。

 つまり、軽くぶつけて一見するとお互いに負傷していないように思えても、クルマを降りて確認をしたり、警察に連絡をしなければいけないのだ。ひき逃げというと被害が甚大な感じがするが、負傷するレベルに思えなくても確認は必要。なにかがぶつかったけど、人とは思わずにそのまま行ったという曖昧な感じ(たぶんウソだろうが)では救護義務や報告義務の違反になる可能性は高い。

 もし救護義務違反の点数は何点かというと、なんと35点。人身事故扱いになるとさらにプラスされる。プラスされなくて、35点だとしても欠格3年になって、当分新たに免許を取ることもできない。

 裁判になり刑事罰も下されることになるので、こちらは5年以下の懲役または50万円以下の罰金。気をつけなくてはならないのは、救護義務は加害者だけでなく、被害者にも課せられるという点。この点は非常に重要だ。さらに事故の当事者である場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金になってしまう。先に紹介した報告違反は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金となる。

 この報告義務は物損事故でも当てはまり、点数は5点。1年以下の懲役または10万円以下の罰金となる。人身であれ、物損であれば、とにかくぶつけたらその場で停止してクルマから降り、救助や通報など必要な行為を行わないと、予想以上に重い処分になってしまうので注意したい。「なにか当たったけど、大丈夫だと思ってそのまま行った」なんていうのは言語道断だ。