ジンバブエ共和国の小学校で今月16日、教室の床が突然陥没し、穴に呑み込まれた生徒17人が重軽傷を負った。学校周辺では1年以上前から違法な金の採掘が行われていることが指摘されていたそうで「なぜもっと早く対処しなかったのか」「子供の安全より金なのか」といった怒りの声があがっている。南アフリカのネットニュース『TimesLIVE』などが伝えた。

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ジンバブエの首都ハラレから約200キロ南東にあるクウェクウェの「グローブ・アンド・フェニックス小学校(Globe and Phoenix Primary School)」で16日、教室に大きなシンクホール(陥没穴)が発生、机、椅子、文房具などと一緒に生徒たちが呑み込まれた。

事故後に現場を訪れた地元議員のジュディス・トバイワ氏(Judith Tobaiwa)によると、怪我をしたのは10歳と11歳の生徒17人(少なくとも18人との報道も)で、女児1人が重傷という。

ちなみに学校側は過去に、「近くで違法な金採掘が行われている」と当局に苦情を申し立てており、トバイワ氏は昨年6月に学校を訪問し、次のように述べていた。

「金の採掘場の一つは学校から100メートルも離れていないところにある。採掘労働者は子供たちが学校にいる今も、岩を掘り、爆破を続け、学校全体が揺れている。学校が安全な場所に移動するか、採掘場を移動するか、どちらかを選択しなければ子供たちの命が危険に晒される。」

そして今回の事故を受け、トバイワ氏は現場の写真をTwitterに投稿、このように綴った。

「私がこの学校を訪れたのはつい先ごろのこと。当時から危険な兆候が見られ、緊急な対応が必要であることを指摘していたのに…。当局は聞く耳を持つことが重要だ。」

これに対しミッドランズ州務大臣ラリー・マヴィマ氏(Larry Mavima)は「当局は学校の閉鎖を命じており、生徒たちが学ぶための別の場所を探しているところだった。事故が起きてしまったことはショックであり、採掘労働者が事故を避けるための対策を取ってこなかったことに失望している」と肩を落とした。

同氏はさらに「なぜこのような事故が起きたのか、また誰に責任があるのかについて調査を開始した」と述べているが、ジンバブエのネットメディア『ZimLive』は「シンクホールの発生は、零細採掘労働者らが金の採掘のために学校の下に違法にトンネルを掘った結果」と指摘した。

なお同小学校は事故後、永久的な閉鎖が決定、このニュースには「衝撃的」「もっと早く学校を閉鎖すべきだった」「子供の安全よりも金ってことだよね」「政府が腐敗しているからどうにもならない」「失業、貧困で乱掘をする零細採掘労働者が急増した結果だよ。専門知識もないのに個人やグループでやって来て穴を掘る。規制が必要だ」「金で儲けてる奴がいるってことだ」といったコメントが寄せられている。

画像は『ZimLive 2023年3月16日付「14 injured after sinkhole from illegal mining opens up in classroom」』『ITVX 2023年3月16日付「Children injured as classroom collapses into sinkhole in Zimbabwe」(Credit: Twitter/ @JudithTobaiwa2)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)