昨年10月、アメリカ在住のある夫妻に双子の女児が誕生した。驚くことに、夫妻のもとには13か月前に双子の男児が誕生したばかりで、出産からわずか6か月後に妻が再び双子を妊娠したことが分かったというのだ。しかも一卵性双生児のうち1%にしか見られない極めて稀なタイプであることが判明し、夫妻は「私たちは間違いなくユニークな家族だ」と語っている。米メディア『Good Morning America』などが伝えた。

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米アラバマ州タスカルーサで暮らすブリトニー・アルバさん(Britney Alba、27)は昨年10月、夫フランキーさん(Frankie、25)との間に双子の女児リディアちゃん(Lydia)とリンリーちゃん(Lynlee)を出産した。

実は夫妻、その前の年に双子のルカ君(Luka)とリーバイ君(Levi)が誕生したばかりで、産後6か月で再び双子を身ごもっていることが明らかになったという。

ブリトニーさんは妊娠が発覚した時の様子をこう振り返っている。

「息子たちの誕生後、私たち夫婦は赤ちゃんを授かる努力をしていたわけではありませんが、たまたま妊娠していることが分かって『ちょうど2人産んだところだし、もう1人増えても大丈夫だよね』と話していたんです。そしてエコー検査を受けに行った時に赤ちゃんは1人だと言われたのですが、フランキーが『あれ、2人じゃないんですか?』と冗談を言うと技師が『もう一度確認してみますね』とチェックしてくれて。すると『あら、本当に2人いますよ』と言われたんです。私たちはジョークだと思って笑っていましたが『いいえ、冗談じゃないですよ。ほら心臓が2つあります』と告げられたのです。」

さらに驚くことに、リディアちゃんとリンリーちゃんは一卵性双生児の中でも珍しい「一絨毛膜一羊膜双胎(MM双胎)」であることが判明した。

「一絨毛膜一羊膜双胎(MM双胎)」とは2人の赤ちゃんが1つの胎盤と絨毛膜、羊膜を共有しており、2人の間に膜がなく隔てるものがない状態だという。それは一卵性双生児のうち約1%にしか見られない極めて稀なタイプとのことだ。

ちなみにルカ君とリーバイ君は「一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)」で、1つの胎盤と絨毛膜を共有しているものの、2人の間は羊膜で仕切られていた。

ブリトニーさんは「どちらの家系にも双子はいないのに、まさか2組も双子が生まれるなんて想像もしませんでした。しかもどちらも一卵性双生児で、上の2人が誕生した翌年に双子の中でも珍しいMM双胎を妊娠するなんて…私たちは間違いなくユニークな家族でしょう」と語った。

「一絨毛膜一羊膜双胎(MM双胎)」の妊娠は稀であることに加え、それぞれの胎児に血流の問題が生じるリスクが高く、臍の緒が絡まる危険性も高くなるという。そのためブリトニーさんは妊娠25週目から「アラバマ大学バーミンガム校婦人新生児センター(University of Alabama at Birmingham Women and Infants Center)」に50日以上入院したそうだ。

そして2022年10月25日に誕生したリディアちゃんとリンリーちゃんは生後6週までNICU(新生児集中治療室)で過ごしたのち、12月7日に退院した。

現在は新しい生活にも慣れてきたというブリトニーさんは、その後のことを次のように明かした。

「家族6人で外出すると、みんな私たちをじっと見つめるんです。ルカとリーバイしかいなかった頃は『双子なの?』と声をかけられたりしましたが、今はサーカスみたいなものでみんなの目を引くようです。」

「出産前はさらに2人の赤ちゃんをどうやって育てるんだろう…と考えていましたが、今は赤ちゃんが2人増えただけで大したことはないと思います。もちろん大変なこともありますが、この子たちを授かったことがどれだけ幸運で恵まれていることか、そのことを胸にこれからも過ごしていきたいです。」

一方でフランキーさんは、2組の双子を授かったことについて「私たちの人生は短い期間で劇的に変化しましたが、この子たちは私たちにとって喜びであり特別な存在です。最初はどうなることかと思いましたが、この子たちがいない人生など想像もつきません。今はただ子供たちの未来が楽しみです」と話している。

画像は『Good Morning America 2023年2月27日付「Couple welcomes 2 sets of ‘rare’ twins 14 months apart」(The University of Alabama at Birmingham)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)