山田はまさかの指名漏れ、根尾は投手転向、柿木と横川は育成契約に

 甲子園春夏連覇から4年、大阪桐蔭の「最強世代」が波乱万丈の1年を過ごした。高卒でプロに進んだ根尾昂、藤原恭大らは試行錯誤の年に。今季は同世代の大卒選手たちが入ってくることから、1軍の戦力として結果を求められるだろう。また、大学に進学した山田健太、中川卓也はドラフト会議での指名漏れを経験。社会人野球の舞台で新たなスタートを切る。

 2018年に史上初となる2度目の春夏連覇を達成すると、同年のドラフト会議では根尾と藤原が1位指名を受けるなど4選手がプロ入り。ファンからは「最強世代」と呼ばれるようになった。しかし、4年間で不動のレギュラーをつかんだ選手はおらず、思わぬ苦戦と言っても過言ではないだろう。ここでは、主な選手の現在地を紹介する。

 4球団の競合の末、中日が交渉権を獲得した根尾は昨季、まさかの投手転向で話題をさらった。プロ入りは野手としてだった。ルーキーイヤーから1軍で2試合の経験を積むと、2年目は9試合、3年目は72試合と出場機会を順調に増やした。一方で、打率は1割台とレギュラー奪取には至らず、4年目途中から投手転向に踏み切った。高校時代から二刀流として注目を集めていただけに、今季の覚醒に期待がかかる。

 藤原は3球団競合の末にロッテ入り。こちらも1年目から6試合、2年目は26試合、3年目は78試合と出場機会を増やした。特に3年目の7、8月には、打率.348、5本塁打、15打点、OPS1.069をマークして月間MVPを受賞するなど、一気のレギュラー定着も確実かと思われた。しかし、4年目の昨季は49試合で打率.209、1本塁打、OPS.524とまさかの足踏み。仕切り直しの1年になりそうだ。

 柿木蓮と横川凱は、戦力外と自由契約からの育成契約を味わった。日本ハムに6位で指名された柿木は4年目の昨季、1軍デビューして4試合に登板、防御率2.08を残したもののオフに戦力外通告を受け、育成選手として再契約した。巨人4位の横川は2年目に1軍デビューしたが、3年目のオフに自由契約から育成契約に移行した。4年目の昨季途中に支配下復帰したが、オフにはまた育成に戻っている。

 大学進学組では、立大に進んだ山田が大学日本代表に選ばれる活躍で、ドラフトでは上位候補として注目された。しかし、まさかの指名漏れで、社会人野球の日本生命へ進み再起を誓う。同じく早大からプロ志望届を提出していた中川は東京ガスへ、山田とともに立大でプレーした宮崎仁斗は、トヨタ自動車に進むことが明らかになっている。(Full-Count編集部)