FIFAクラブ・ワールドカップ(CWC)2022準決勝、フラメンゴ(ブラジル)vsアル・ヒラル(サウジアラビア)が7日に行われ、2-3で勝利したアル・ヒラルがクラブ史上初の決勝進出を決めた。

コパ・リベルタドーレスを制した南米王者のフラメンゴは、3大会ぶりに今大会に参戦。この初戦では2019年の準決勝で3-1の勝利を収めたサウジアラビア王者と再戦。この試合ではダビド・ルイスやデ・アラスカエタ、エヴェルトン・リベイロ、2トップにガブリエウ・バルボサ、ペドロといった主力が起用された。

一方、前AFCチャンピオンズリーグ王者として2大会連続の参戦となったアル・ヒラルは、準々決勝で開催国王者ウィダード・カサブランカとの激闘をPK戦の末に勝利し、ベスト4進出を果たした。クラブ史上初のファイナル進出を狙うアジア王者は、チャン・ヒョンスやマレガ、イガロ、ビエットといった強力な助っ人をスタメンで起用した。

試合は開始早々に思わぬ形で動く。アル・ヒラルがボックス付近でボールを動かした中、ボックス左に抜け出したビエットがDFマテウジーニョと交錯すると、このプレーでPKが与えられる。そして、キッカーのサレム・アル・ドサリが冷静に左隅へ蹴り込み、開始4分の先制点とした。

出ばなを挫かれたフラメンゴはすぐさま反撃を開始。アジア王者を押し込む形に持ち込む。だが、ボックス内で露骨にファウルをもらいにいったジェルソンが“ダイブ”でイエローカードをもらうなど、決定機まであと一歩という状況が続く。

それでも、攻勢を続ける南米王者は20分、セットプレーの二次攻撃からマテウジーニョがボックス右に走り込むペドロへラストパスを供給。これをブラジル代表FWが冷静にゴール左隅へ右足で蹴り込んだ。

1-1のイーブンに戻った試合はボールを持って主導権を握るフラメンゴ、堅守速攻で応戦するアル・ヒラルという明確な構図の下で一進一退の攻防となる。

フィニッシュの数ではブラジルの名門が圧倒したが、アル・ヒラルも決定機まで持ち込ませない。すると、アイルトン・ルーカスの治療の影響などで6分が加えられた前半アディショナルタイムに再び試合が動いた。

ボックス左に侵入したビエットとジェルソンが交錯すると、一度プレーは流されたものの、オンフィールド・レビューの結果、ジェルソンのファウルと判断されてアル・ヒラルにPKが与えられる。さらに、ジェルソンは2枚目のイエローカードをもらって退場に。このPKをサレム・アル・ドサリが再び決め切って、サウジアラビア王者が数的優位と共にリードを手にした。

迎えた後半、10人でビハインドを追うフラメンゴはデ・アラスカエタとレオ・ペレイラを下げてプルガルとファブリシオ・ブルーノを同時投入。体力が残っている後半早い段階のゴールを目指して前に出る。しかし、ボックス付近までボールを運ぶものの、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。

一方、ゲームコントロール優先の戦い方を見せるアル・ヒラルは、カウンターを起点にあわよくば3点目を狙う、慎重な戦い方を継続。58分にはセットプレーの流れからハリファ・アル・ドサリに決定機も、ゴール前で放ったシュートは惜しくもクロスバーを叩いた。

フラメンゴの健闘によって1点差のまま試合は後半半ばを迎えるが、アジア王者が試合を決める3点目を奪い切る。70分、3トップを起点としたロングカウンターからボックスに持ち込んだサレム・アル・ドサリが浮き球のパスをボックス右のビエットに供給。一度足元に収めたビエットはDFと対峙しながら機を見て右足を振り抜くと、ニア上のクロスバー内側を叩いた強烈なシュートがゴールネットに突き刺さった。

これで厳しくなったフラメンゴは、エヴェルトンに続いてビダルをピッチに送り出し、ここから2点を奪いに前がかっていく。完全に逃げ切り態勢に入ったアル・ヒラルの守備をなかなか崩し切れないが、土壇場で1点を返す。91分、ガビゴルのミドルシュートがボックス中央の密集でDFに当たってゴール前にこぼれると、これをフリーのペドロが押し込んだ。

この1点で試合は一気に分からなくなると、フラメンゴはさらにリスクを冒して前に出る。しかし、気を引き締め直したアル・ヒラルを前に3点目を奪うことはできず。

この結果、フラメンゴに4年前のリベンジを果たしたアル・ヒラルがクラブ史上初の決勝進出を決めた。

なお、アジア勢初の優勝が懸かるアル・ヒラルは11日、アル・アハリ(エジプト)と、レアル・マドリー(スペイン)の勝者と決勝を戦う。一方、敗れたフラメンゴは前述の敗者と3位決定戦を戦う。