2月5日(現地時間)にロサンゼルスで開催された、「第65回グラミー賞」。最優秀ポップデュオ/グループ・パフォーマンス賞では、サム・スミスと共に、トランスジェンダー女性として初めてキム・ペトラスが受賞。

会場では、受賞楽曲である『Unholy』のパフォーマンスを披露する一幕も。その際にプレゼンターを務めたマドンナのスピーチが、SNSを中心に賞賛の声が拡がっている。

「反逆者たちに感謝を!」

ムチを片手に、ステージに登場したマドンナ。マドンナは、自身が批判と闘ってきたことにも触れながら、サム・スミスとキム・ペトラス、そして他の批判に立ち向かっている人々を奮い立たせるようなパワフルなスピーチを披露。

「論争が起きますよ、準備はできていますか――? 40年を通して音楽業界で学んだことを話しますね。ショッキング、スキャンダラス、問題児、挑発的、危険… そんな風に言われたなら、あなたは偉業を成し遂げるでしょう。世の中の反逆者たちに感謝を伝えたいです。新しい道を構築し、批判に耐えてくれていることを」
「トラブルメーカーたちに知ってほしいことがあります。みんなの大胆不敵さは、ちゃんと注目されています。存在を知られ、耳を傾けられ、そして何より、愛されています」
「疑いや批判を乗り越え、美しく、祝福されていない(unholy)、才能にあふれた二人のアーティストを紹介できることを嬉しく思います。グラミー賞受賞者、サム・スミスとキム・ペトラスです」

マドンナから紹介を受けたサム・スミスとキム・ペトラスは、真紅の衣装に身を包み、大ヒット曲を披露。パフォーマンスには『ル・ポールのドラァグ・レース』で知られるドラァグクイーンのゴットミックとヴァイオレット・チャチキも参加していた。

サム・スミスにとっては、今年5度目の受賞となった一方で、初ノミネートで初めての受賞を果たしたキム・ペトラス。

キムは、受賞スピーチでマドンナに「LGBTQ+コミュニティの権利のために闘ってきてくださり、ありがとうございます。マドンナがいなければ、私はこの場にはいなかったと思います」と感謝を述べ、式後のインタビューでは「見てくれている子どもたちには、自分らしさを保ちながらもこうして才能を認められると知ってほしい」と話している。