歌舞伎町・大久保公園周辺で行われている路上売春(通称・交縁)が、今年に入り大きく変わってきた。

コロナ禍による不景気の影響からか、若い女性が多く立つようになったことで盛んに報じられるようになり、直近の1年ほどで知名度が急上昇。最近は、迷惑系ユーチューバーが「行き場のない少女を救う」として買春をしようとする男性に声かけ運動なども行っている。一方で、有名立ちんぼ女子はユーチューバーの取材を多く受けており、そこで取材費を荒稼ぎしているケースもある。

もはや交縁は「数字の取れるコンテンツ」となり、買春目的の男性、売春目的の女性が来なくなっているという。

「前は21時過ぎくらいになると、売買春目的の男女が大勢いたんですけどね。警察による摘発の影響もありますが、それより迷惑系ユーチューバーやティックトッカーのほうが大きいです。女の子や客を大声で『売春は犯罪だ!』と叫んで追い回したりしていますから……。動画とかに映り込むのも嫌だし。場所を移した人は少なくないと思います」(交縁女子)

売買春を通報して騒動になったり、猊櫃た有瓩出てきて揉め事になるケースも頻発しているようだ。

こうした理由で、大久保公園周辺からは人が減った。とはいえ、路上売春する女性がいなくなったわけではない。居づらくなれば、分散したり別の場所に集まるのが歌舞伎町の常である。

なぜ、若い女子が路上売春をするのか。要は「コスパ」なのである。立ちんぼ女子のミヨコ(仮名・20)が言う。

「正直、路上で客をとるのが危ないっていう感覚があんまりないんですよね。風俗も一緒じゃね? って思う。デリヘルとかでもヤバい客はヤバいし。しかも、今は店がお客さんとってくるんじゃなくて、自分でSNSで集客したり写メ日記(風俗嬢が写真とともにプライベート風の日記を投稿すること)更新したりしなきゃいけなくて、めんどくさい。そんだけめんどくさいことやって、1時間1万円しかもらえないデリヘルで働くより、自分で客とって1時間2万円稼げるほうがいいかなって思っちゃいます」

そんなミヨコは、立ちんぼと並行してアプリでパパ活も行っているという。

「パパ活っていってもほぼエンコーです。割り切って、大人(セックス)もしてる。アプリでパパ活の予定組んで、空いた時間に立ちんぼして、とか。そうやって予定埋めて鬼回転してる。ウチらの界隈で客をぶん回すことを鬼回転、って言うんですけど。そしたら1日10万円とかいくんで」

そうして稼いだカネを彼女たちは何に使うのか。よく聞くのはやはり、ホストクラブだ。

「風俗だと客が来ない時間も待機所にいないといけないけど、個人でやってると時間は自由に組める。たとえば、ホストクラブで遊んでて、アプリで客が捕まったら店を抜けるとかもしますよ。ホスクラの合間にオジサンに会ってセックスする(笑)。そしたら、次の日もホスト行けるお金が簡単に手に入るので」(ミヨコ)

ホストクラブ通いのために身体を売る女性は少なくない。1月23日には、元ホストが女性をソープで売春させた疑いで逮捕された。店への借金回収のために風俗で働かされるのは、歌舞伎町では極めてよくあるケースだ。自分が支払ったカネがホストに流れると知ったら、オジサンたちの買春する意欲も減退しそうなものだが。

佐々木チワワ
’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 』(扶桑社新書)が好評発売中

取材・文:佐々木チワワ