「免許返納」に賛成? 反対? ユーザーの反響は

 クルマをあまり必要としない地域に引っ越したり、高齢になり身体機能に衰えを感じたりして運転免許の返納を検討するという人もいるでしょう。

 最近では、とくに高齢者を中心に免許を返納する人も増えてきていますが、これについてSNSではさまざまな意見が見られます。

免許返納にユーザーからは賛否の声! (画像はイメージ)

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 警察庁が公表している運転免許統計によると、2021年中に運転免許証(以下、免許証)を自主返納した65歳以上の高齢者は49万3461人に上ります。

 返納する理由には、都市部で鉄道やバスなどの公共交通機関が発達していることからクルマを必要としなかったり、身体的な都合によりクルマを運転しないために返納するケース、このほかドライバー自身の意思だけでなく家族など周囲の人からの勧めで返納する人もいるようです。

 免許を自主返納するにあたって注意しておきたいのは、一度免許を返納すると、その後再取得する場合に適性試験や学科試験、技能試験などが免除されることはなく、いちから免許を取り直さなければいけないという点です。

 このため、「免許を返納したいけどやっぱり運転したい」と思っても返納を取り消すことができず、改めて免許取得が必要となります。

 この免許の自主返納制度をめぐって、ユーザーからはさまざまな意見が寄せられています。

「自分の意思で免許証を返納すればクルマを運転しなくなり、認知・身体機能の低下による事故を防ぐ一定の効果はある」と理解を示す声がある一方で、「田舎では生活にクルマが必須。返納したくても簡単にはできない」「返納する必要はないと思う。事故を心配するなら、免許ではなくクルマを手放せば良いのでは?」「別に返納せずそのまま持っておいても良いと思う」という声もありました。

 また身内が免許を返納したという人からは「返納後、家に引きこもりがちになり心身が弱ってきた」という意見も。

 とくに、公共交通機関が充実していない地方では免許を返納したことで生活が不便になったり、外出する楽しみを失うといった可能性があることが浮き彫りになっています。

 そのほか、免許を再取得する際に試験などが免除されないことに関して、「免許返納の際に本人の意思をきちんと確認するのだから、再び運転しようと思ったときにいちから試験を受ける必要があるのは仕方がない」という意見がある一方、「一度は試験に合格しているので再取得の際に優遇措置があった方が良い」という意見もありました。

「返納に1年間の猶予期間を設けるなどお試し期間を作ってはどうか」という条件付きの返納を提案する声も上がっています。

 身体機能に衰えを感じるなど、とくに免許を持っている高齢者は免許返納について考えている人も多いかもしれません。

 しかし現状では免許の再取得に関する優遇措置はないため、免許の返納についてはいろいろな事情も含めて熟考する必要があるといえるでしょう。

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 免許の返納後は、本人が希望すれば「運転経歴証明書」と呼ばれる免許証に代わる身分証明書が交付されます。なお、交付手数料として1100円かかります。

 警察庁の運転免許統計によると、2021年中の自主返納件数は51万7040件、運転経歴証明書の交付件数は44万4484件と、単純計算ではあるものの自主返納した人の86%程度が運転経歴証明書の交付を受けていると考えられます。

 運転経歴証明書は免許証と同じサイズで住所、氏名、生年月日などが記載されており、有効期限がないため更新手続きも不要です。

 運転経歴証明書を持っていると路線バスや鉄道、タクシーといった公共交通機関の運賃割引を受けられるほか、自治体によっては銀行の金利優遇、デパート・スーパーでの割引などさまざまな特典が受けられるケースもあります。

 免許証と異なり更新不要で永年使用できること、提示すれば各種特典があることなどがメリットといえます。

 運転経歴証明書は、住んでいる地域や受けられる特典によって、なかにはあまりメリットがないという人もいるかもしれません。

 今後、「免許返納」の動きはどのように変化していくのでしょうか。