漫画家・コラムニストとして大活躍中の辛酸なめ子さんのWEB限定連載！ 美人たちから寄せられたリアルなお悩みに独自の視点でお答えします。→ 第29回もチェック♡
出典: 美人百花.com
【第30回】
親から結婚を急かされる！
「母親から再三『結婚しろ』と言われてしんどいので時間稼ぎのアドバイスをいただきたいです。22歳まで門限が22時だったのに、アラサーになると急に結婚結婚と言い出して困っています」（夢見る夢子・31歳・会社員）
辛酸なめ子さんのアンサー
出典: 美人百花.com
結婚についてのプレッシャーが強いときの時間稼ぎについて、イラストにも描かせていただきましたが、結婚よりも大きな問題をフィーチャーして、親の意識をそらす、という方法があります。実体験ですが、十数年以上前、マヤの暦が終わり、人類が滅亡する、という話題で一部か盛り上がっていました。当時、わりと深刻にとらえていたので、人類滅亡について発言していたら、ある日実家で両親に半ば強制的にテレビ番組を見せられました。それはNHKかナショナルジオグラフィックか、それ系のまじめな番組で科学的にマヤの暦を検証し、「人類滅亡はない」という結論に至る内容でした。真剣な顔の両親に、人類滅亡はない、と説き伏せられました。その時は、私の結婚の話題どころではなかったと記憶しています。
令和の今も、人類の滅亡の危機がさらに高まっているので、話を逸らせることができそうです。
でも、それ以前に親御さんの方も、「結婚しろ」とただ要求するのが適切か考えてほしいです。老後資金の心配はないのか、結婚した娘に頼れなくなってもいいのか、など……。もっとさかのぼれば、結婚を猛プッシュしたいほど、自分の結婚生活が幸せだったのか、と聞いてみたいです。由緒ある家柄の男性が超絶美人の奥さんとお見合い結婚をして幸せに暮らしている……そんな事例を見ると、そもそもやんごとなき家でもなく、そんなルックスにも生んでくれなかった親にも責任の一端があるのでは? と思わずにはいられません。結婚しろと言われたら、だったら財閥の御曹司とのお見合いのつてはないのか、とか軽く聞いてみても良さそうです。
お互いないものねだりをせず、好きなように生きて人間として成長している姿をあたたかく見守ってほしいものです。
辛酸なめ子（しんさん・なめこ）
1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト、小説家。美人百花にて『美人たちの生ハガキ』でイラスト連載中。『女子校育ち』（ちくまプリマ―新書）、『愛すべき音大生の生態』（PHP研究所）、『スピリチュアル系のトリセツ』（平凡社）など著書多数。
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