ブラック企業に勤めポンコツっぷりを発揮してきた中村誠氏。今や、LINE代行業の第一人者として成功する氏が、過去の失敗から学んだ3つの成功の秘訣とはいったい何だったのでしょうか。ビジネスプロデュースの第一人者の中村誠氏が著書「無敵の稼ぎ方 最小限のコストで最大限のお金に変える、最強のルール」(KADOKAWA)で解説します。

「一点突破の力」が自信に繋がった

■特別な才能がなくても「一点突破」すれば勝てる

「一点突破の力」を知ったのは、新卒で就職した会社に勤めているときのことです。

仕事が全然できず、自己卑下のカタマリでしかなかった僕は、「とりあえず、ひとつでいいから、何か『これならできる』というものを持てばいい」と店長にいわれたことをきっかけに、「商品レイアウト」を覚えました。

商品を店内にディスプレイするのに、どんな商品を、どういう形で見せるのかを考える仕事です。

何をやらせてもダメダメだった僕ですが、この商品レイアウトの仕事は、意外にもハマって、どうにかこうにかできるようになりました。クリエイティブな要素も強い仕事だったから、楽しく取り組むことさえできました。

この一点突破で、多少なりとも自分に自信を持つことができたのです。

この「一点突破」の理論は、その後も僕の中では生き続けていて、これがあったからやってこられたと思っています。

僕は凡人でしかないし、不器用だから、リソースをいろんなことに振り分けることができないのです。だから力を一点集中させることで競争力をつけました。

最初、田窪さんのところでマーケッター修行をはじめたとき「ネット物販は辞めてから来てね」と言われました。なんだかんだいってもネット物販で食べてきたわけだから不安はあったけど、思い切って捨てました。

マーケッターとして独立してLステップを始めたときも、他のことは全部捨てて、Lステップ1本に絞りました。

逆に言えば、「あれもやってこれもやって、Lステップもやってます」では成功は遠かったと思います。

今も多少の資金力がついたからといって、たとえば暗号資産とか不動産投資とかには手を出しません。一点突破の原則を守っているからです。

誠words
全リソース、全時間、全ノウハウを集中させて一点突破する

■商品・サービスを磨けば売り込みは不要

うちの会社の仕事は今、ほとんどが紹介によって決まっています。

自分の商品やサービスを、あの手この手で売り込んで仕事を取った…みたいな経験はほぼありません。

ウェブマーケティングの自動の仕組みを作る会社なのに、自社では一切、ウェブ広告のひとつも出していないという(笑)。紹介だけで十分回っているから、あえて広告を出す必要がないのです。

なぜそういうことができているのかというと、これはもう一言、「商品を磨くこと」の一点突破にかけて来たからだと思います。

一目で誰にも必要で、誰もが欲しがるものであることがわかる商品作り・サービス設計に全力をかけるのです。

たとえば、LINE構築の講座も、今はうちだけでなく、いろいろなところがやっています。

その中でうちのLINE構築講座の強みは何かといったら、「Lステップの開発者の下で修業をした中村誠が直接教えて、卒業後は個人では取れないような大企業や大物芸能人、インフルエンサーの案件を、中村誠と一緒に取り組むことができる」ということに尽きるわけです。

そこで絶対的な差別化ができて、そこにはもう売り込みもクロージングもいりません。

なぜここを強調するのかというと、商品やサービス磨きは差し置いて、セリングやマーケティングばかりに比重を置いているケースを、随所で見受けるからです。

営業をかけないと売れないようなものをマーケティングで売り付けたらどうなるか。その時は一瞬儲かるかもしれないけど、結果的に信用を失って長続きしません。

それに比べれば、最初に商品磨きをするのは、稼げるまでに時間はかかるかもしれないけど、結局、長い目で見れば圧倒的に有利となります。

あとこれは商品、サービスに限った話ではなく、自分自身にもいえることだと思っています。

生き残るためには自分自身も本物のスキルを身につけないといけないわけです。そのためには自分に投資をして、常に自分の価値を高めていくことが重要だと思います。

それができれば自分がどんどん楽になっていきます。

誠words

マーケティングとはセリングを不要にすること。サービス磨きだけすれば基本的に上手く行く

「毎月500万円売り上げがないと死ぬ」背水の陣

■「この金額を稼げないと死ぬ!」という状況を自ら作る

田窪さんの会社で、オンラインスクールの手伝いを始めた当初、僕のギャランティは完全歩合制でした。

つまり「商品(セミナー)が売れなかったら収入は0」という不安定な状態。当時はまだネット物販で作った借金も残っていたし、いろいろ経費の支払いもあって、本当にこれで稼がないとどうしもようもないのです。もう「稼げなかったら死ぬ!」という覚悟でやっていました。

当時、毎月手取りで100万円は必要でしたが、そのためには500万円の売り上げが必要でした。毎月500万円売り上げがないと死ぬ(笑)。でも売り上げはまさに毎月500万円スレスレな感じでした。

そうすると「今、この人が契約してくれなかったら今月は赤字になってしまう!」となるわけです。毎日が戦いみたいな感じで、必死になるしかなかった。

とはいえウェブマーケティングの知識がまったくない状態からです。セミナーセールスとは何か、どんなコピーライティングをすればいいのか、実践しながら田窪さんにフィードバックをもらいながら、夢中でこなしていました。

でももちろん、僕がそんな必死の状態だなんて、誰も夢にも思わなかったと思います。逆に言えば「必死感」が外に出ていたら絶対に売れないです。見た目では余裕を装っていました(笑)。

当時はしんどかったけど、今思えばそれがよかったと思っています。ここで自分のスキルがとてつもなく上がったし、Lステップも実際に使いながら工夫・改善することができたのです。

これがもし「固定給で毎月50万円を保証します」みたいな話だったら、こんなにがんばれなかったと思うのです。

「これだけ稼げなかったら死ぬ!」という状況に身を置いたときに、自分のポテンシャルがマックスに発揮されるのだと思っています。

誠words

「これだけ稼げなかったら死ぬ!」という状況に自分を追い込んでポテンシャルを開花させる

中村 誠
株式会社REXLI 代表取締役 社長