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 ブンデスリーガではこの夏に2人の世界的トップフォワード、エルリング・ハーランドとロベルト・レヴァンドフスキを同時に失うことになった。その後継として期待されていたレヴァークーゼンのパトリック・シックは負傷に悩まされるシーズンを余儀なくされている一方、実はエルリング・ハーランドを上回る活躍をみせているセンターフォワードが存在する。今冬にジャパンツアー参加中、急遽フランス代表からの召集を受け、最終的には決勝のピッチにも立った今ノッてる男、ランダル・コロ・ムアニだ。

 kickerがアシスト数を計測しはじめた1988/89シーズン以降、前半戦17試合の時点で19得点に直接絡んだ選手は同選手以外には存在しておらず、これはかつてエルリング・ハーランドとジエゴが記録した、18スコアリングポイントを上回るハイペースなのだ。とりわけこの1週間だけを見てみても、2位フライブルク戦ではゲッツェのハイクロスを受け3選手を交わし右下隅へと正確にフィニッシュ。続く首位バイエルン戦では鎌田大地のパスを受け、オランダ代表デ・リフトと同胞フランス代表ウパメカノを交わし、左足で再び正確なショットを放っている。

 グラスナー監督は特にここで左足でフィニッシュしたことを高く評価しており、「コロは1vs1における素晴らしいクオリティの持ち主だよ。あそこでの左足、あれはよかったね。普段であればあそこは右足で中に入っていくところ。あのシュートは最高だったよ」と絶賛。一方で「ビッグクラブ相手の得点はいつでもワクワクするよね」と試合後に喜びを見せた同選手は、「でもウパメカノは素晴らしいCBだから対戦は難しいけどね」と謙虚さを示すことも忘れなかった。

 ドイツ代表のレジェンド、ローター・マテウス氏はTV局スカイでの解説のなかで、ここまで7得点12アシストのコロ・ムアニを絶賛。「シーズンを通して彼が見せているパフォーマンスには興奮を覚えるよ。彼のプレーからは喜びと自信、スピードが感じられる」と述べており、「良いドリブル、良いシュート、そして良いラストパス。彼はブンデスリーガにとっての財産だね」と言葉を続けている。ただアイントラハト・フランクフルトの見方としていえることは、その「財産」だのみのようなことにはならないよう、これから更に得点チャンスを作り出していかなくてはならない。