洗車は必要?

 クルマが好きな人や、綺麗好きな人はなるべく新車の状態を維持すべく、いつもピカピカに磨かれていたりします。

 しかし、全ての自動車オーナーがそのような人というわけではありません。洗車をするのは点検や車検に出した時くらいで、普段は汚れたまま放置という人もいるでしょう。

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 今回は、そもそもクルマは洗車をした方が良いのか、しないと何か弊害はあるのかなど、洗車の必要性について紹介します。

洗車はしなくてはならないのでしょうか?(画像はイメージ)

「洗車までは忙しくて手が回らない、洗車しなくても故障にはならないから必要ない」と感じる方もいるかもしれませんが、結論からいうと安全性の維持やクルマの劣化を抑えるため、定期的に洗車はおこなった方が良いといえるでしょう。

 例えば、ほとんどの車種には、「ウインドウ(窓ガラス)」が存在しますが、このウインドウが汚れていると適切な視界を確保できなくなる恐れがあります。

 特にフロント側のウインドウでは、走行中に舞い上がった埃や排気ガスに混じった油分が付着し徐々に汚れがたまってしまします。

 油分による汚れは、晴れた日の日中では気になりにくいものの、夜間になれば対向車のヘッドライトを反射しギラギラして見えてしまい、周囲が確認しづらくなります。

 さらに、近年販売されているクルマには、「前車追従式クルーズコントロール」や「衝突被害軽減ブレーキ」など先進安全装備が搭載され、この機能に使用する車載カメラなどがフロント側のウインドウ上部に装備されているモデルもあります。

 埃や油分が付着したまま放置すると、このような安全性を高める装置の作動に悪影響を及ぼすリスクが出てきてしまいますので、「まだ見えるから大丈夫」と思わず早めにウインドウの清掃を心掛けると安心です。

 埃の除去であれば濡れたクロス等で拭き取る程度で問題ありませんが、油分はカー用品店などで入手できる専用の油膜除去剤を使用すると効果的です。

 コンパウンド(研磨剤)が配合された油膜落としで磨くと、より油分除去の効果が期待できます。

見栄えだけじゃない! 洗車をしないと故障などのトラブルも?

 洗車をしないと、起こり得るクルマの劣化として真っ先に思いつくのは、ボディ表面の塗装の劣化です。

 ボディ表面の水滴を放置して、水滴のレンズ効果で塗装にウォータスポットを作ってしまったり、鳥の糞や虫の死骸も時間が経つと除去が困難となり、跡が残ってしまう事があります。また花粉も雨など水分が混ざると固まり除去しづらくなります。

 ですが、汚れの具合によってはボディ表面だけでなく、クルマの機械的な部分にまで影響を及ぼすことがあります。

 例えば、雨上がり後の非舗装路や、山間部のぬかるんだ道をなど、泥道を走った後には、泥汚れが車体に付着してしまいます。

 この泥汚れは、見栄えが悪いだけでなく長期間放置し過ぎると泥が固まり、細かな電装部品等の隙間に入ると除去も困難になります。

 また、潮風が吹きつける海岸沿いや融雪剤の撒かれた道では、ボディに塩分が付着しやすくなります。最近のクルマは塗装の質も良くなっているため直ちに影響が出るわけではありませんが、塩分は錆や部品の劣化を促進させるため早めに除去しておくのが懸命です。

 特に融雪剤は、ボディ下部や足周り部品に付着しやすくなりますので注意が必要です。

 海岸沿いや雪道などを走った後の洗車では、普段は目に付かない足周りやボディの下部にも気を使い、洗車をすると効果的です。

適度な洗車の頻度は?

 いざ洗車をするとしても、どの程度でするべきでしょうか。

 前述のような泥道や融雪剤の撒かれた道を走行したときは、なるべく早く洗車をすることが望ましいですが、そのような特異な場所を走らない場合には、基本的に1〜2ヶ月毎を目安に汚れが気になり出してくる時期に洗車をおこなえば問題はありません。

洗車はどれくらいの頻度でおこなえばいいのでしょうか(画像はイメージ)

「車が埃っぽい」「水垢が目立ってきた」と感じたら、洗車をするのがお勧めです。

 特に最近のクルマでは、クリア塗装を含む表面処理の質が進化をしてきていたり、ガラスコーティングなどの施工が普及しつつあったりと、以前より汚れに対して強くなってきています。毎日や毎週という頻度で洗車をする必要はなくなってきました。

 逆に洗車のし過ぎは、細かな洗車傷を付けてしまうリスクを生じたり、磨くスポンジでコーティングの表面を削ってしまったりと、ボディに対して良くない影響を与えるリスクも出てきますので注意が必要です。

※ ※ ※

 手洗い洗車をしてまで時間を掛けることができないという人も多いでしょう。そんなときは、ガソリンスタンドや洗車場で自動洗車機を利用するのもひとつの手です。

 また、洗車の回数をなるべく抑えたいという人は、販売店や専門店などでガラスコーティングの施工を検討してみてもよいかもしれません。

 ガラスコーティングをおこなうと、ボディ表面に撥水効果が得られることで汚れが付着しにくくなります。全く洗車しなくて良い訳ではありませんが、綺麗な状態を維持しやすくなります。

 洗車をおこなう頻度や、手洗いか自動か、プロに依頼かなどどのようなレベルの洗車をするかは人それぞれですが、やはり洗車は定期的におこなった方がクルマにとって良い影響があります。

 最後いつ洗ったか分からないような人は、まず自分が出来る方法で洗車をしてみることをオススメします。