近年、映画館では進化を続ける映像技術を駆使した、リアリティを追求された映像が度々話題に上っています。昨年、一躍社会現象にまでなった、戦闘機によるアクションシーンが圧巻だった『トップガン マーヴェリック』や、キャラクター表情、息遣い、汗の一粒までリアリティが追及された『THE FIRST SLAM DUNK』等をはじめ、多くの作品が話題に。しかし、必ずしも凝った映像や演出だけがリアリティの要素という訳ではありません。映像技術に加え、さらに観客をその世界にいざなう、ドラマチックな、史実の出来事を元にした映画をご紹介!

▼『フォードVSフェラーリ』 (2019)

マット・デイモンと、クリスチャン・ベイルという、アカデミー俳優の2人が初共演で主演を務め、歴史上最も伝説的なレースで、絶対王者フェラーリに立ち向かった男たちの奇跡のような挑戦の実話を切り取ったのが、この『フォードVSフェラーリ』だ。舞台は1966年のル・マン24時間耐久レース。車の性能や技術力の高さを証明する絶好の機会であるこの大会において、アメリカ最大の自動車メーカー、フォード・モーター社から、当時の【絶対王者イタリアのフェラーリに勝て】という無理難題がある2人に託された――。元レーサーでカー・デザイナーのキャロル・シェルビーと、クセは強いが天才的なドライバー、ケン・マイルズ。不可能な挑戦に挑むこの2人の人間ドラマもさることながら、レースシーンでは、まさに命を懸けてハンドルを握るレーサーの感覚を追体験できるほど迫力のある映像と轟くエンジン音が観客のボルテージをどんどん上げていく!当時のレース会場の盛り上がりや、緊張感まで伝わってくる細部までこだわり抜かれた映像に是非注目をしてほしい!

▼『アルゴ』(2012)

1979年から1980年にかけて発生した在イランアメリカ大使館人質事件を題材とした本作は、第85回アカデミー賞®にて、作品賞、脚色賞、編集賞を受賞するなど、注目を集めた作品。イラン革命の影響で、反米デモ隊にアメリカ大使館が占拠されたことがきっかけに、そこから命からがら抜け出しカナダ大使館に身を寄せる6人の大使館員を救出するため、ある作戦が決行される――。CIAの人質奪還のプロ、トニー・メンデスが考えたのは、<ウソの映画を企画し、6人をロケハンに来た撮影スタッフに仕立て上げ、出国させる>という、大胆過ぎる“ニセ映画”作戦。作中では緊張感が張り詰め、手に汗握るスリリングな命がけの救出劇は、まさにハラハラの連続。彼らと共に作戦を遂行しているような、ドキドキ感が味わえる本作は、是非今一度楽しんでみてはどうか!

▼『タイタニック』(1997)
『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』 2月10日(金)公開

1997年に公開され、アカデミー賞®作品賞を含む歴代最多タイとなる11部門受賞という偉業を成し遂げ、日本でも1997年12月20日の公開から翌1998年11月までの約1年間の超ロングラン上映という大記録を達成した『タイタニック』。1912年に実際に起こった“タイタニック号沈没事故”を題材に、ジェームズ・キャメロン監督によって映像化された本作は、ハリウッドで初めての深海潜水調査を行うなど、キャメロンの徹底的な取材と探求心によって描かれた作品。細部まで作り込まれたその世界観、映像には、見るものを引き付けて離さない魅力にあふれている。作品の中には、当時のタイタニック号の様子が細かな部分まで再現され、史実に基づく登場人物も多く登場しているなど、まさにスクリーンを通して、観客をタイタニック号の上へとタイムスリップさせてくれる。2月10日(金)からは、3Dリマスターとして、一新された映像でスクリーンによみがえる本作。よりその世界観へ没入し、映画の隅々まで堪能できるであろうこの機会に、是非劇場で楽しんでみては!

史実の出来事を描く作品は、映像や演出に加え、見るものに更なるリアルさと没入感を味合わせてくれます。現実社会を離れ、その時代、その場所にまさにいるような感覚が味わえる、ドラマチックな史実に基づく映画の数々をこの機会に見直してみてはいかがでしょうか?

■監督・製作・脚本・編集:ジェームズ・キャメロン 
■出演:レオナルド・ディカプリオ/ケイト・ウィンスレット/ビリー・ゼーン/キャシー・ベイツ/ビル・パクストン
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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