カイリー・ジェンナー(25)が巨大なライオンの頭部を装飾したドレスを纏い、パリ・ファッションウィーク(パリコレ)に出席した。このドレスはショーのオープニングを飾ったブランド「スキャパレリ」によるもので、動物の頭部はレプリカだという。そんなカイリーの姿にSNSでは、野生動物の狩猟を楽しむ“トロフィーハンティング”を助長しているという批判が殺到した。その一方、動物愛護団体「PETA」の会長は「トロフィーハンティングに反対する表明だ」と称賛のコメントを述べている。

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現地時間23日、パリ・ファッションウィークで2023年春夏オートクチュールコレクションが開幕。ショーのオープニングは、1927年にパリで創業したブランド「スキャパレリ(Schiaparelli)」のコレクションでスタートした。

当日、ゲストとして出席したカイリー・ジェンナーは、上半身に巨大なライオンの頭部を装飾したドレスを着て、会場の大きな注目を浴びたのだ。

この衣装は「スキャパレリ」による体にフィットした黒いロングドレスで、右肩から上半身にかけては立体的なライオンの頭部がついている。

ドレスは今回のショーでも紹介されており、スーパーモデルのナオミ・キャンベルやイリーナ・シェイクが動物の頭部を飾ったドレスを纏ってランウェイを闊歩した。

「スキャパレリ」によると、これらの動物の頭部は本物ではなくレプリカだという。ブランドの公式Instagramは同日、動物の頭部を制作する動画を公開し「制作にあたって、動物への虐待行為は一切ありません」とメッセージを添えた。

同ブランドによると、今回のコレクションはイタリアの詩人ダンテの叙事詩『神曲』の第一部「インフェルノ(地獄篇)」から着想を得たものでこのように説明している。

「スキャパレリのインフェルノ・クチュールのために刺繍された動物達。ダンテの象徴的な寓話に登場する欲望とプライドと強欲を表す、ヒョウとライオンと雌オオカミ。フォームや樹脂、ウールやシルクのフェイクファーなどを使用した手作業による彫像で、できる限り本物らしく見えるようにハンドペイントしています。」

しかしSNSではこの衣装について、娯楽として野生動物の狩猟を楽しみ、はく製などの記念品(トロフィー)を目的とする“トロフィーハンティング”を助長しているといった非難の声が殺到してしまった。同ブランドのInstagramの投稿には、次のようなコメントが残されている。

「動物は、生きている姿が感動的なのよ。フェイクであろうがなかろうが、トロフィーハンティングがいまだ問題になっている時代に、このようなメッセージを送るのは間違っている。残念だけどノーよ。」

「このコンセプトは極めて不快だ。本物か贋物かにかかわらず、トロフィーハンティングを推奨している。これらを作るために、生き物を傷つけて生産された羊毛やシルクを使用しているんだよ。嫌悪感を与え、暴力的で非進歩的だ。」

こういった批判が高まる中、動物愛護団体「PETA」のイングリッド・ニューカーク会長が米メディア『TMZ』の取材に応じ、カイリーが着た衣装についてこのように称賛している。

「ライオンの美しさを称え、人間のエゴイズムを満たすためにライオンの家族を引き裂く、トロフィーハンティングに反対する表明なのかもしれません。」

そして「驚くほどに斬新で立体的な動物の頭部は、『意志あるところに道は開ける』ということを表現しているのです」と加えた。

画像2〜6枚目は『Kylie 2023年1月23日付Instagram「BEAUTY AND THE BEAST.」』『Schiaparelli 2023年1月23日付Instagram「Embroidered animals for @schiaparelli’s Inferno Couture.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)