マイバッハなのに、さらに特別仕様

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

メルセデス・マイバッハの特別仕様車、「リミテッドエディション・マイバッハ by ヴァージル・アブロー」が日本発表された。

【画像】マイバッハ特別仕様車と、アブローの作品【内装と細部を見る】 全48枚

本日より2月26日まで予約注文の受付を行い、デリバリーは5月以降を予定している。


特別仕様車リミテッドエディション・マイバッハ by ヴァージル・アブロー(スターズ@メルセデス・ベンツ銀座で2月7日まで展示中)。    AUTOCAR JAPAN

この特別仕様車は世界限定150台で、日本仕様は限定13台。そのため、販売台数以上の申込みがあった場合には抽選となる。

この特別仕様車(以下、リミテッドエディション)は、メルセデス・マイバッハS 680 4マティックをベースに、故ヴァージル・アブロー氏とのコラボレーションモデル「Project MAYBACH」をモチーフにしたもの。

内外装は、“砂漠”をイメージしたコロラドベージュと、フォルムを引き締めるオプティシアンブラックを基調としたデザインで仕上げてている。

ボディカラーは、本車両専用のコロラドベージュ(ソリッド)とオプティシアンブラック(メタリック)の2トーン。

さらに、専用にコロラドベージュにペイントされた、20インチの鍛造ディッシュホイールを装着し、Project MAYBACHを想起させる斬新なエクステリアを演出している。

ヴァージル・アブローについて

ヴァージル・アブロー氏は、1980年生まれ。アメリカ出身のファッションデザイナーで、建築やDJなどを手がけたマルチプレイヤーだったが、2021年に41歳の若さで急逝した。

アブロー氏のデザインした「Project MAYBACH」については後述するが、メルセデス・マイバッハでは彼の死を悼んで、「Project MAYBACH」をモチーフにした特別仕様車のリミテッドエディションを世界限定150台で世に送り出した形だ。


リミテッドエディション・マイバッハ by ヴァージル・アブローの前席。ユーザープロファイルのアイコンが、アブローを思わすパーカー姿。    AUTOCAR JAPAN

ベースとなったメルセデス・マイバッハS 680 4マティックは、Sクラスのロングホイールベース仕様からさらにホイールベースを180mm延長して後席の居住性を格段に向上。

リアドアの電動開閉機能やアクティブ・ロードノイズ・キャンセレーション機能など、ショーファードリブンとしての快適性/静粛性を追求した、最新技術の数々を採用している。

さらに、レザーに施された専用のステッチや使用面積が大幅に増加したインテリアのウッドトリムなどによる、ラグジュアリーを極めたアピアランスが特徴だ。

パワートレインには、最高出力612psと最大トルク91.8kg-mを発生する6L(5980cc)のV12ツインターボエンジンを搭載し、9Gトロニックのトランスミッションと4WDシステムの4マティックを組み合わせ、必要以上にエンジン回転数を上げることなく快適な走行性能を実現しつつ、前後の駆動力配分を常に最適化している。

内装も価格も……強烈

インテリアには、外観と同じコロラドベージュのインテリアトリムやブラックのナッパレザー・ルーフライナーを採用することで、マイバッハを体現する美しさと高級感の中に、Project MAYBACHの世界観を楽しむことができる。

ベース車両でも十分以上に豪華なインテリアは、Project MAYBACHをモチーフとしたデザインが加えられることで、世界に150台、日本に13台しか存在しない独特の高級な世界を味わえるだろう。


特別仕様車リミテッドエディション・マイバッハ by ヴァージル・アブローの後席内装。    AUTOCAR JAPAN

また、「Virgil Abloh(以下、VA)」のロゴが入ったセンターコンソールや、同じくロゴ入りのイルミネーテッド・ステップカバー、専用MBUXメニュー画面なども装備している。

インテリアの主な特別装備は、以下のとおりだ。

・VAロゴ入りセンターコンソール
・VAロゴ入りイルミネーテッドステップカバー
・VAロゴ入りクッション
・専用フロアマット
・専用MBUXメニュー画面
・Burmesterハイエンド4Dサラウンドサウンドシステム
・左右独立リアシート
・クーリングボックス
・格納式テーブル(リアシート)
・シャンパングラス(2脚)
・MANUFAKTURレザーパッケージ
・ハイエンドインテリアパッケージ
・専用ギフトボックス

「リミテッドエディション・マイバッハ by ヴァージル・アブロー」の車両価格は、5600万円。ハンドル位置は左のみ。

前述のように、日本仕様は限定13台となっている。

Project MAYBACHとは 展示情報

2021年に発表された「Project MAYBACH」は、メルセデス・ベンツがこれまで開発したものとまったく異なるデザインを採用し、すべての要素がゼロベースで作られた。

アブロー氏は、メルセデス・ベンツの最高デザイン責任者であるゴードン・ワグナーとの共同作業の中で、マイバッハのラグジュアリーなアイデンティティを新しいデザイン言語で解釈し、機能やスタイル、そして共同製作の創造性に新しい境地を開いた。


今回の特別仕様車のモチーフとなった、ヴァージル・アブローによるProject MAYBACH(2021年)    メルセデス・マイバッハ

大自然からインスピレーションを受け、伝統的に都市志向であったマイバッハブランドを、それとははっきり区別されるオフロードシーンに関連付けた2シーターEVオフロードクーペに仕立てた。

超大型グランツーリスモのプロポーションと特大のオフロードタイヤ、そこにまったく個性的なパーツを加えて組み合わせたショーカーは、ボンネットの透明な表面の下に、航続距離を拡大する目的で太陽電池が並べられるなど、電動モビリティの未来の姿をまとめている。

デザイン面で圧倒的な存在感を生み出すのは、全長約6mというサイズだけでなく、とくにそのユニークなコントラストにある。とりわけ最も重要なのが、オーセンティックなマイバッハならではのデザイン要素と新しい「アウトドア アドベンチャー」というモチーフとの間に見られる“調和”だろう。

なお、メルセデス・ベンツ日本では、先述の特別仕様車の発表を記念して、リミテッドエディションと、ベースとなったコンセプトカーのProject MAYBACHを、以下の日程で特別展示する。

・リミテッドエディション マイバッハ by ヴァージル・アブロー(特別仕様車)
1月27日(金)〜2月7日(火):スターズ@メルセデス・ベンツ銀座
2月10日(金)〜2月19日(火):メルセデスミー大阪

・Project MAYBACH(コンセプトカー)
2023年1月27日(金)〜2月20日(日):メルセデスミー東京

特別仕様車の展示会場となる「スターズ@メルセデス・ベンツ銀座」は、マイバッハ、AMG、Gクラスを専門に扱う世界初の拠点で、東銀座駅から徒歩1分という好立地だ。