忙しくても、おいしく作れます。

 フード業界において2023年もアジアンブームが続きそうです。なかでも圧倒的な勢いを感じるのが、韓国料理。毎年新たなメニューが登場するたびに心をつかまれている人も少なくないでしょう。

 そんな流れの中で、昨年あたりからじわじわ話題になっているのが、「チュモッパ」という韓国おにぎり。これは「チュモッ=拳」の形をした「=ご飯」という意味であり、つまりは「にぎりめし」のこと。

 韓国で日本のような三角型おにぎりが普及するよりも前から、カジュアルな家庭料理として作られているごはん料理です。日本ではタレントの辻希美や有名料理家(コウケンテツ、リュウジなど)が紹介し始めていて、そろそろ流行りそうな予感です!

 そこで今回は、ブーム到来直前の「チュモッパ」の作り方をご紹介。誰でも簡単に作ることができて、病みつきになるおいしさですから、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

◆基本材料は、3つ

 チュモッパには確固たる正解がありません。日本においておにぎりが1種類でないように、各家庭の好みや都合でちゃちゃっと作るのが基本。

 そんな中でも使われることが多い定番食材は3つです。それは、たくあん、韓国のり、とびっこ(とびうおの卵で寿司具材などで使われる)。

 たくあんと韓国のりは細かく刻んだタイプを購入してもOK、すべて細かくなっていると、ごはんとの馴染みが良くなります。この3つにこだわらず、水分を切ったツナやチーズなどを加えてもOK。

◆味付けのポイントは、ごま&マヨネーズ

 チュモッパらしくなる味付けとして必要なのが、マヨネーズ、ごま油、すりごまの3つです。

 加える分量は目分量でも大丈夫なのですが、マヨネーズとごま油が多すぎると握りにくくなるので注意が必要です。米1合につき各大さじ1/2程度を加えるくらいが安心。それではさっそく作ってみることにしましょう。

◆温かいごはんに混ぜて、ラップで包むだけ

 作り方は、コツもテクニックも不要です。ボウルか大きめの器に温かいごはんを入れ、材料と調味料をすべて加えてさっくり混ぜ合わせるだけ。

 続いて、ラップを使って一口大サイズのボール状に握っていきましょう。ラップを使うことで手がベタベタせず、衛生的にも安心です。

 これで完成。キンパ(韓国のり巻き)を作るよりもずいぶん気軽で、きれいな三角型おにぎりを握るよりも簡単です。

◆アレンジするなら、ちょっぴりのコチュジャンを

 アレンジを一つだけオススメするのであれば、ちょっぴり「コチュジャン」を加えるという方法。程よい辛味や旨味が加わって、病みつき度が高まります。

 さあ、いかがでしょうか?材料集めるのが面倒だという方もいると思うので、これさえあればOKな「チュモッパの素」をカルディで発見しましたので、気になる人はチェックしてみてください。

 実際に作ってみましたが、とびっこは入っていないものの、遜色のない仕上がりになりました。

 日本のおにぎりとは味も雰囲気も別世界。新たなおいしさ発見するチャンスかもしれませんから、是非楽しみながら作ってみてくださいね!

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12