中古車価格が異常に高騰している理由は?

 現在、中古車の価格が高騰しており、車種にもよりますが、通常時の査定金額より+25%程度上昇している車種も存在します。
 
 このような事態になった背景には、円安が要因として挙げられます。
 
 一時期よりは落ち着いたものの、海外のバイヤーにとっては高性能で高品質の日本の中古車が安く買える状況となっており、大量買い占めが続いています。車種によっては新車価格を超えるほど高値で取引される中古車も存在するのです。

中古車人気でクルマの買取価格が上昇中

 また、クルマを構成するのに欠かせない「半導体」が世界的に不足し、供給量が間に合わない状況が続いていることも中古車高騰の要因のひとつ。

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 半導体は一定の電気的性質を兼ね備えた物質で、ECU(コントロールユニット)などクルマの頭脳と呼ばれる場所に使われているのですが、昨今の国際情勢によって半導体が不足していることによって、新車の納期遅延が相次いでいます。

 たとえば、トヨタ「ハイエース」を新車で購入したときの納期は通常1か月程度ですが、2022年12月に注文した場合は約6か月必要。ほかにも、人気車の受注を停止したり、トヨタは納車時のスマートキーの個数を減らして対応するほどです。

 そして、新車の納期が長引くようなら、すぐに乗れる中古車にしようと考える人も多く、通常時よりも高くても購入する人が続出。新車が手元に届かない状況が、中古車市場にも多大な影響を与えているのです。

「向こう2〜3年程度は中古車高騰が続くだろう」とも報道もされており、中古車が以前のような価格帯に戻るまでには少し時間が必要になるかもしれません。

 円安や新車の納期遅延によって中古車人気が高まっているということから、現在はクルマを売却するのに有利な状況になっています。

 実際、筆者(藤本敬太)が愛車を下取り査定に出したところ、当初は「110万円」という査定額でしたが、最終的に「158万円」まで上がりました。

 中古車販売店の店長いわく、「中古車が非常に高騰していて台数が少なくなっています。この金額は通常時では絶対に提示できないものですが、現在の中古車市場では提示可能です。正直私も驚いています」とのこと。

 中古車のプロが「異常なまでに高騰している」と思うのが現在の中古車市場なのです。

 買取のなかでも、ミニバンやSUVの査定価格が高騰しているといわれています。

 クルマの売却や乗り換えやなどを検討している人は、交渉次第では高額査定が期待できる可能性が高いといえそうです。