シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Wさん(都道府県・年代性別不明)

Wさんには吃音がある。そのため、見知らぬ人と会話することはあまりないという。

しかし、三十数年前。帰省のために乗った新幹線で、隣の席の男性客と何故か話をすることになった。

<Wさんの体験談>

約35、6年前でしょうか。就職先の京都から、お盆に大分の実家へ帰省したときのことです。

新幹線のホームは、帰省客でいっぱい。さあ、どうしようかなぁと考えました。

一人なので通路かデッキに立って帰るのもありだったんですが、空いてるし座れるし、各停なのは少し嫌だったけど、ゆっくり帰るのも良いかということでこだまに乗車しました。

とはいえこだまも、満席に近い状態。私は4、50代の男の方が座っている隣に座りました。

今でも覚えているのは...

私には吃音という、話し言葉が流暢に出ない障害があるので、知らない人とは滅多に話しません。ですが、何故かその時は、その男性と会話をしました。

その方は、私の話し方にびっくりされていたと思います。しかし、普通に話してくださった記憶があります。

何を話したか具体的なことは忘れてしまいましたが、「頑張ってるねぇ」「偉いねぇ」と言われたことを覚えています。

見知らぬ人との出会い。短時間の出会い。列車にはそんな「出会い」があります。

あの時の「出会い」は、私にとって嬉しいものでした。実家へついて母親に話したことを覚えていますし、今も時々思い出します。

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