毎週のように三笘薫の活躍が報じられています。リバプール戦での活躍も見事でした。どうして三笘はあんなに簡単にドリブルで相手を抜けるのでしょうか。

まず三笘にはスピードがあります。またボールを相手にさらす(相手の取れそうな位置にボールを置く)ときのボールを置く場所、そこから足をボールに出すタイミング、さらにボールの運び方とリズムなど、様々な要素が優れていると思います。

常に相手との間合いを見ながら駆け引きをしていますし、最初に「ドリブルが得意」と印象づけることが出来たら、相手はうかつに飛び込んでこなくなりますから、さらに間合いは計りやすくなってきます。

ではもう少し詳しく見てみましょう。なぜ三笘は早いのか。それは足のどこでボールを触っているかに関係します。

左サイドでボールを持った場面を考えてください。多くの選手は右足のインサイド(内側)でボールを運ぼうとします。ですがその動きでは足の運びが内股になってしまいます。走るときに内股なのは不自然な動きです。

それに対して三笘は足のインステップ(甲)に近いアウトサイド(外側)でボールをこすりながら動かしています。こうすることで、実はとても自然な足の動きのままボールに触ることが出来るのです。

この動きをすればドリブルしながらスピードに乗りやすくなります。ブラジルのネイマールなども同じようなドリブルをしているのですが、このボールタッチは技術的には非常に難しいのです。三笘はそれができるから抜いていけます。

今、三笘が1月の移籍期間でどこか大きなクラブに行くのではないかという憶測がとんでいます。ですが僕はまだ早いと思います。

三笘がレギュラーを奪ったのはワールドカップの少し前から。1シーズンとおして活躍しているわけではありません。今はまだ地に足を付けて、しっかり良いプレーを続けるほうが大切です。

だから周りは騒ぎすぎないほうがいいでしょう。そして三笘のこれからの活躍を楽しみにしたほうがいいと思います。

(撮影:岸本勉/PICSPORT)