昨年のFIFAワールドカップ・カタール大会でベスト4に入る大健闘を見せたモロッコ代表。準決勝まで1失点にまとめた鉄壁の守備に加え、ボールを奪ったところから効果的な速攻を繰り出す戦いぶりは見事だった。

その中でも際立っていたのが『ボールを運ぶ能力』だ。単なる堅守速攻のチームとは違い、モロッコは中盤から前線にかけてテクニシャンが揃っている。それはリーグ・アンの数字を見ても分かってくる。

今季のリーグ・アンではパリ・サンジェルマンのFWリオネル・メッシがリーグ最多となる48回のドリブル成功数を記録しているが、第2位にはカタール大会でブレイクしたモロッコ代表MFアゼディン・ウナヒ(アンジェ/MF)が37回でランクインしている。22歳のウナヒはカタール大会で大ブレイクしたタレントの1人で、中盤からボールを運ぶ能力はリーグ・アンでも際立っている。年齢的にも強豪クラブが狙うのも納得のMFだ。

さらに同じアンジェには29歳のモロッコ代表MFソフィアン・ブファルも所属している。ファンタジスタ系とも言える独特のリズムを持つブファルもリーグ・アン第10位タイとなる27回を記録しているのだ。

他にもモロッコ代表では右のサイドバックを務めるパリ・サンジェルマン所属のアクラフ・ハキミ、右から仕掛けるレフティーアタッカーのハキム・ツィエクも個の能力が高い選手だ。こうした個の能力がモロッコの堅守速攻を一段も二段も上のレベルへ押し上げていたと言える。

中でも22歳と若いウナヒは今後の移籍市場でも注目を集めていくはずで、現代のトレンドに合った選手と言えるか(データは『WhoScored』より)。