免許返納後に…やっぱりクルマ乗りたい! そんな時どうなる?

 クルマをあまり必要としない地域に引っ越したり、高齢になり身体機能に衰えを感じたりして運転免許の返納を検討するという人もいるでしょう。
 
 では免許を返納した後にやっぱりクルマに乗りたい、もしくは返納を取り消したいという場合はどうなるのでしょうか。

免許返納したけど…やっぱりクルマ運転したい場合どうなる!? (画像はイメージ)

 警察庁の統計によると、2021年中の運転免許の自主返納件数は51万7040件で、そのうち75歳以上が27万8785件、75歳未満が23万8255件となっています。

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 また2021年中に運転免許を自主返納した人のうち65歳以上が約95%を占めているというデータもあります。

 このように免許返納のほとんどは高齢者が占めていますが、若い世代であっても返納することが可能です。

 なかには交通事故を起こして自身の運転に不安を持ち、20代のうちに運転免許を返納したというユーザーも存在します。

 返納する理由には、都市部で鉄道やバスなどの公共交通機関が発達していることからクルマを必要としなかったり、身体的な都合によりクルマを運転しないために返納するケース、このほかドライバー自身の意思だけでなく家族など周囲の人からの勧めで返納する人もいるようです。

 では、もし免許を自主返納した後に、「もう一度クルマに乗りたい!」と気が変わった場合はどうなるのでしょうか。

 警視庁のウェブサイトでは、自主返納をする際の注意点として「自主返納したことにより運転免許が取り消されると、再度免許を取得する場合には、運転免許試験の一部免除などの特例はなく、適性試験、学科試験及び技能試験を受験し、合格する必要がありますのでご注意ください」と記載しています。

 つまり運転免許を一度返納してしまうと、またイチから試験を受けて免許を再取得しなければクルマを運転することはできません。

 もちろん再取得の場合でも受験の手数料や運転講習費用などがかかるほか、時間もかかります。

 このため、運転免許を返納した後に「やっぱりクルマがないと不便だった」「思ったより交通手段が充実していなかった」などと後悔することがないよう、行動範囲の公共交通機関を調べたり、今後クルマを運転する必要があるかどうかなどを家族とよく相談したりして検討した方が良いでしょう。

※ ※ ※

 運転免許を返納した場合、運転免許証と同様に身分証明書として用いることができる「運転経歴証明書」が交付されます。

 運転経歴証明書は運転免許証と同じサイズで、氏名や生年月日、住所などが記載されているカードですが、運転免許証と違って有効期限はありません。

 運転免許を自主返納して運転経歴証明書を取得した場合、クルマなどを運転できなくなる代わりにバスやタクシーといった公共交通機関の運賃割引やあらゆる店舗での割引サービス、宅配手数料無料サービスなど様々な支援を受けられます。

 ただし、基本的には65歳以上の自主返納者を対象としたサービスが多いため、若くして免許返納をした人にはあまり活用するシーンがないといえるでしょう。