アコヤガイという貝は、真珠を作る貝として有名だが、地域によっては食用としてスーパーに並ぶことがある。

2022年12月、そんな「アコヤガイの刺身」についての投稿がツイッター上で注目を集めた。

「近所のスーパーでアコヤガイの刺身売ってたから買って食べてみたら真珠出てきたw」

27日、ツイッターユーザーの「しゅんすけ(エビスダイ好き)」 (@ebisudai_suke)さんがそう呟いたのだ。

刺身を食べようとしたら、真珠が出てくるとは、シンジュられない? そんな人も、しゅんすけさんが投稿に添えた写真を見てほしい。

指先でキラリと光っているのが、刺身から出てきたモノ。本当に真珠っぽいぞ......。

しゅんすけさんの驚くべき体験に、ツイッターは大変な盛り上がりだ。12万4000件以上の「いいね」のほか、こんな声が寄せられている。

「大当たりやん」
「こんなところに金銀パールプレゼント!」
「うかつに見せてしまったために子供達から『あこや貝のお刺身買ってぇぇ』コールを受けています」

Jタウンネット記者は、まず投稿者・しゅんすけさんを取材した。

「何個かガリッと」

投稿者・しゅんすけさんは魚の標本、採集など魚に関する事が好きな高校生。アコヤガイの刺身は愛媛県産で、12月26日に岡山県のスーパーで購入したものだという。

「真珠を発見したことは初めてです。晩酌で家族と一緒に食べていたので、出てきた時は勢揃いで驚き大笑いしました」(「しゅんすけ(エビスダイ好き)」さん)

なお、発見した時の状況については、リプライで次のように語っていた。

「この写真のものに気づくまでに何個かガリッと貝殻かと思って食べちゃってたんですけど今のところ体に異変は無いですね」

次に、Jタウンネット記者は、愛媛県農林水産部漁政課に電話した。

「あまり聞いたことはありません」

アコヤガイの刺身に「真珠」が入っていることは、よくあるのだろうか? 取材に応じた担当者は、次のように答えた。

「投稿された写真を見ると、指の大きさから見て、かなり小さいサイズで、『ケシ』と呼ばれるものだと思います。核入りの養殖真珠が8ミリ以上の大きさになるのに比べて、核が入っていない『ケシ』は小さなものが多いようです。
しかし、浜揚げの時に選別されますので、食用の貝柱の中に『ケシ』が混じることは、けっしてないとは言えませんが、あまり聞いたことはありません」(愛媛県農林水産部漁政課担当者)

愛媛県の真珠養殖は110年以上の歴史を持つ。宇和島市・愛南町・明浜町など宇和海を望む地域の、温暖な気候とリアス式海岸という恵まれた自然環境で、育まれてきた。

貝から真珠を取り出す際に、副産物的に取れるのがアコヤガイの貝柱だ。刺身にすれば、適度な歯応えと、ほどよい塩味の中に甘みを感じられる。またバターソテーやかき揚げ、炊き込みご飯など、調理の応用も多彩だという。

ツイート投稿者・しゅんすけさんが岡山県で購入したように、愛媛県近隣のスーパーなどの売り場に並ぶこともあるらしい。ただし、冬場の浜揚げの時期に限られるようだ。

愛媛県及び近隣の方は、スーパーでアコヤガイの刺し身、貝柱を見かけたら、一応、チェックしておくのもアリだ。