2021年に石橋貴明さんが“お菓子断ち”厳命→22年復活の要因?
昨年11月に破格の6年契約を結び、その1年目を迎えるDeNA・山崎康晃投手。「だからといって安泰だという気持ちは全くない。1年1年チーム内の競争を勝ち抜いて、自分の手でマウンドをつかみ取れるように、心を鬼にしてやっていかないといけない」と危機感を強調する。実際、現在30歳で体調や体質に変化が起こりやすい微妙なお年頃だ。
山崎は9日、神奈川県厚木市で同僚の三嶋一輝投手、伊勢大夢投手らとの合同自主トレを公開した。報道陣向けの会見では「心を鬼にして、お菓子をやめて頑張りたいと思います」と笑わせるシーンがあった。と言うのも、山崎は2020、21年に2年連続で不振にあえいだ。2021年には帝京高野球部の大先輩にあたる、とんねるずの石橋貴明さんと食事した際、ポテトチップスが大好物であることを突き止められ、「お菓子は絶対にやめろ」と厳命されたのだ。
石橋さんは翌2022年2月のラジオ番組で、山崎がお菓子を封印した結果、7〜8キロ減でキャンプインしたことを明かしている。これが56試合37セーブ、防御率1.33をマークし、華々しく復活を遂げることができた要因の1つなのかもしれない。「そればかりがフォーカスされるのも変ですが、去年はキャンプインまでのアプローチが本当にうまくいった。そこは自信を持っていいのかなと思います」とうなずく。
「このオフに石橋さんに会った時にも、また注意されました」と明かした山崎。「昨シーズンは本当に(お菓子を)一切断っていました。実はオフに入ってから、ちょっとリラックスしたいと思って、一瞬だけ解禁しましたが、餅はこの年末年始も1個しか食べていない。お雑煮で1個だけです。そこを大きく書いておいてください」とアピールした。
「キャンプ初日にブルペンに入ると心に決めています」
大先輩に指摘される以前から、体型は気にしていた模様。「皆さんから『太ったんじゃないの?』と言われるたびに、僕は心に大きな傷を……」と苦笑。「もう30歳なので、自己管理が大事になる。もう1度ファンの皆さんに信じていただけるように、頑張っていきたい」と誓った。
もちろん、お菓子を封印するだけではない。現在行っている合同自主トレは、毎朝標高284メートルの白山(はくさん)に登り、下山後に厚木市玉川野球場でトレーニングを行うハードな内容。「勤続疲労、劣化と言われる歳になりましたが、長く戦い抜けるように、原始的ですけれど、山登りなどで足腰を鍛えることは投手にとって非常に大事だと思います」と説明する。
さらに、「マル秘トレ」と称する個人トレーニングにも取り組んでいる。「企業秘密なので詳しくは明かせませんが、たくさんの人に支えていただきながら、いろいろなトレーニングを企画しています。去年始めたことで、その成果は僕自身が一番感じている。新しいチャレンジもしていきたいです」と手応えがある様子だ。
「キャンプ初日にブルペンに入ると心に決めて、自主トレに励んでいます」と短期的な目標も明確で、確かに長期契約がもたらす気の緩みとは無縁のようである。メジャー挑戦は断念したが、25年ぶりとなるチームのリーグ優勝をはじめ、山崎の心を沸き立たせることはいくらでもある。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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