チームの打撃4冠だった吉田正尚がメジャー移籍、4番の穴をどう埋める?

 リーグ3連覇、2年連続日本一を目指すオリックスは、メジャー移籍した吉田正尚の穴をどう埋めるかが鍵を握っている。西武からFAで強打の捕手・森友哉の獲得に成功したが、プラマイゼロとは言い難い。春季キャンプやオープン戦を通じてチーム内の戦力に変動はあるが、現時点での開幕スタメンを“最速”で占ってみたい。

 昨季は打率.335、21本塁打、88打点、138安打の成績を挙げチーム“打撃4冠”だった4番の吉田正はいない。野手助っ人の活躍も乏しく、リーグワーストの89本塁打と長打力不足の解消は最重要課題だった。上位、下位を打てる若手たちが徐々に頭角を現わしているだけに、中軸の固定が必要になってくるだろう。

 まずは昨季の日本シリーズで史上初の初球先頭打者本塁打を放った太田椋に1番を任せたい。5年目を迎えたドラ1はこれまでもレギュラー獲得のチャンスはあったが、度重なる怪我でふいにしてきた。一発長打にも期待できるだけに、あとは確実性をものにできるか。ダイナミックな守備と勝負強い打撃で「不動の三塁手」となった宗佑磨は2番に置く。

 中軸には昨季初めて規定打席に到達し打率.283をマークした中川圭太。内外野を守れるユーティリティも武器で中嶋監督が信頼を寄せる選手の一人だ。4番には獲得が予定されているメジャー通算22本塁のシュウィンデルか、メジャー通算107本塁打のゴンザレスに任せたい。

 まだ、未知数な部分はあるが、シュウィンデルは昨季にカブスで開幕スタメンをつかみ8本塁打を放った右の大砲候補。ゴンザレスは両打ちで主に二遊間を守り、メジャー通算1139試合に出場し、2017年には23本塁打を放つなど実績は十分だ。2年前の本塁打王の杉本裕太郎は5番での復活を期待したい。

 森友哉は本来なら中軸に置きたいところだが、新天地で捕手というポジションを踏まえ開幕は6番あたりで打たせるのが無難か。昨季はキャリアハイの11本塁打を放った頓宮裕真は7番に。下位打線にも一発長打のある打者を置き、相手に脅威を与えたい。8番、9番には紅林弘太郎、福田周平と上位に繋げる打者を選んだ。

 リーグを代表する打者・吉田正のメジャー移籍は痛いが、レギュラーを目指す選手にとっては大きなチャンス。固定概念で打順を決めない“中嶋采配”にも注目したい。(Full-Count編集部)