12月27日深夜に最終回が放送されたアニメ『チェンソーマン』(テレビ東京ほか)。

「少年ジャンプ+」に連載中の、藤本タツキの人気漫画が原作。「悪魔」という、人間に害を及ぼす存在がはびこっている日本を舞台に、「チェンソーの悪魔」と特別な感情で結ばれた主人公が、人間と悪魔が融合した「魔人」として、悪魔やそれを操る “悪の組織” と対峙していく物語だ。

 特徴的なキャラクターや迫力ある戦闘シーンが人気で、アニメ化決定の段階から大きな期待が寄せられていた。

「今回の12話でひとまず “第1期” が終了となるようですが、放送後は関連ワードがTwitterでトレンド入りし、米津玄師さんやVaundy(バウンディ)さんが歌う主題歌も人気でしたから、ほぼ間違いなく、続編は制作されるでしょう」(エンタメライター)

 しかし、このライターは、アニメ『チェンソーマン』で気になる現象があったと指摘する。

「ネット上の意見はほとんど好意的でしたが、じつは炎上も起きていたんです。理由は、原作と違う描写に納得がいかないとか、エンディング映像で使用された画はトレパク(トレース疑惑)ではないか、といったものです。

 有名なファンアートを上からなぞったような作画があったとのことですが、イチ視聴者からすると構図が似ているだけとも思うのですが……。ともあれ、こうした声の一部が激化して、再アニメ化を求めるネット署名まで始まったんです」

 原作者の藤本氏は、“小学3年生の女の子” という設定の『ながやま こはる』というTwitterアカウントを開設している。そのアカウントでは、アニメ放送をリアルタイムに実況していたが、27日の最終回の後には、

《ちぇんそーまんのアニメを作ってくださりありがとうございました!僕の汚い線を拾ってくれて嬉しかったです!漫画は引き続き続きます!よろしくお願いいたします!》

 と、感謝のツイートをしていた。

「漫画とアニメでは勝手が違いますから、多少の描写の変更などは原作者も承知の範囲だと思います。実際に藤本氏が文句を言うこともなかったわけですし、さまざまな “アニメ批判” は、的はずれだったとも言えるでしょう。

 今回の『チェンソーマン』では、監督を務めた中山竜氏をこき下ろしたり、過去の発言の重箱の隅をつつくような過激ツイートも散見されました。

 こうしたファンの暴走によって、苦悩するアニメ監督がいるのは以前からの問題です。

『新世紀エヴァンゲリオン』を長年監督した庵野秀明氏は、テレビ放送のあとに制作した劇場版の公開で誹謗中傷や脅迫行為などの被害に遭い、心身ともに追い詰められた経験を明かしていました」(ネットニュース編集者)

 愛情と束縛は紙一重というが、アニメ作品についても “過剰な束縛” を求めてしまうファンがいるということだろう。