ライブドアニュースの看板犬「ドアふみ」が、世の中のソーシャルグッドな活動を取材する「ドアふみの社会科見学」。

今回はやや角度を変えて、話題のニュースの真相を日清製粉グループ本社に聞くことに。

そのニュースとは「小麦の価格変動」だ。

オヤツハンターとして日々、小麦粉のお世話になっているドアふみにとって、小麦の価格変動は、とても身近でシビアな問題なのだ。

国家貿易制度のもと、小麦の価格が決まる

今年いろいろな食品の値上げニュースを見たけど、小麦も上がったよなぁ。そもそも小麦の価格はどうやって決まってるんだ?
日本で消費される小麦粉の約9割は外国産で、政府が小麦を輸入し価格を決めて、各製粉会社に売り渡しているんです。
なんで政府が売り渡すの?
国民の主要食糧である小麦の需給と価格安定のため、日本はこのシステムをとっています。
小麦粉って食のベースになる材料だもんね。
輸入小麦の価格は「過去6カ月の買い付け価格の平均」で決まり、日本では年2回、4月と10月に政府による売渡価格の見直しがあります。
政府の売渡価格が小麦粉価格へ反映されるまでに約2-3ヵ月のタイムラグが発生する。

価格を決める3つの理由

輸入小麦の価格変動は主に3つの要素が影響します。1.小麦の国際価格、2.船の海上運賃、3.為替相場です。
ほうほう。
まず1つ目は小麦そのものの国際価格ですね。

そもそも小麦粉は農作物なので自然環境に影響を受けます。たとえば、天候不順により不作になると、国際価格は高騰してしまいます。

いっぽう、小麦が豊作になると需要に対して供給が上回るため、国際価格は下落する傾向にあります。

2つ目は船の海上運賃です。輸入小麦は主に船で運ばれてきますので、燃料などを含めた海上運賃も小麦価格に影響します。

そして3つ目は為替相場ですね。円安や円高も価格に響いてきます。今は円安ですが…。
なるほど…。小麦って本当にいろいろな要素から価格が決まってるんだな。知れば知るほどコントロールできないことばかりだぜ。
そうなんです。複数の要因が絡みあっているんですよね。3つの要素に加えて、各製粉会社のコストも最終的に反映されます。

「企業努力」は技術や商品に反映

ところで、どの製粉会社も国から同じ小麦を同じ価格で買っているなかで、どうやって差別化してるんだ?
小麦を小麦粉にするときの製粉技術が各社で異なりますね。
そこでクオリティを競い合っているわけか。
そのとおりです。小麦は大きく分けて3つ種類がありまして、それぞれ用途も違うんですよ。

ポイントはグルテンの量。日本に輸出されている小麦は、どの国よりも質がいいと言われています。小麦にもグレードがあるんですが、一定の基準をクリアしたものだけが輸出されています。もちろん日本が独占しているわけではありませんが。
日本人は品質にうるさいからな。
品質にこだわる日本人に、同じクオリティのものを、今日も明日も明後日も食卓へ届けるため、政府と製粉会社が連携して安定供給に努めています。

現代のニーズに応えて大ヒット

ドアふみくんに、ちょっと見てほしい商品があるんですよ。
ありそうでなかった小容量(150g)のボトルタイプ。
お、なんだそれ。
小麦粉ってなかなか使い切ることが難しいですよね。パントリーにしまって、次に使おうと思ったら賞味期限が切れてしまっているとか。
めちゃくちゃある…。大きい袋のやつ、使い切った試しないかも。
ですよね。最近は、からあげ粉、天ぷら粉、ホットケーキミックス…と、最初から用途に分かれて販売されているので、小麦粉単体ですと、余らせてしまう方は多く、そういったお客様の声から生まれました。

この商品にはこだわりがありまして、通常の小麦粉だと粒度が細かいがゆえに、穴から粉を出すときに、目詰まりを起こしてしまうんですね。粒度を均一にしておかないとサラサラとは出てこない。

そこを我々の技術で、サラサラと出てくるように小麦の粒を加工します。サイズダウンだけでなく、こうした造粒技術によって差別化された商品をお届けできるのです。
原料は同じでも、工夫次第でいろいろな付加価値が生まれるんだな。
はい。小麦粉からいろいろなものを作っていくノウハウが我々にはあります。先ほどのボトルタイプもそうですが、お客様の声を聴いて「ちょっとした便利」をかたちにしていく。

値段以上の価値を感じていただけるよう、文字通り身を粉にして製品開発に努めています。
今回の取材先:
日清製粉グループ本社
小麦粉販売は国内トップシェア。小麦を起点とする多彩な事業を展開している。食のインフラを支えるグループとしてあらゆる生活シーンに「安全・安心」「健康」を提供。
小麦粉百科:https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/

PR企画:日清製粉グループ本社 × ライブドアニュース
取材・文/ドアふみ & 編集部
撮影/森カズシゲ