835万回再生(22年12月15日現在)のMVは、雨にうたれる佐々木が水溜りに落ち、深い海に沈むソロカットから始まる。失恋の辛い気持ちを訴えるメンバーの描写は、痛々しいまでにリアル。ダークファンタジーのような暗い壊れた世界で踊るメンバーというのも、これまでの=LOVEには無かったものだ。

メンバーが、時計や指輪、花などを投げるシーンは、苦しみから解放されたい表現。窓ガラスの向こう側にある幸せな世界で微笑む佐々木と、こちら側の暗い表情の佐々木が実に対照的である。涙で悲しみにくれたまま終わる、報われない恋心が心に刺さる作品だ。

「祝祭」

2021年8月25日に発売の9枚目シングル「ウィークエンドシトロン」のカップリングで、大場花菜が野口衣織とともに初センターを務めた楽曲。

88万再生(22年12月15日現在)のMVは、中世の城を舞台に繰り広げられるホラーテイストのミュージカルといった雰囲気。大場と野口が男役の執事となり、大谷と佐々木がメイド、瀧脇と山本が料理人、お客さんの貴婦人が音嶋、齋藤樹愛羅、齊藤なぎさ、高松、諸橋が城の女主人という配役だ。

とにかくゴージャスな作りで、短編映画でも見ているような感覚になる。ダンスショットは、タキシード姿の大場と野口の周りを白いバレエ衣装メンバーが舞い踊るという鮮烈さ。冷静な執事の大場と、流し目が麗しい狂気の執事の野口など、見どころ満載。

「ウィークエンドシトロン」

2021年8月25日に発売の9枚目シングルで、高松瞳がセンターのキラキラで王道なサマーチューン。ラップのリリックはフワちゃんが手がけている。

これまで=LOVEは学生の恋愛を中心に歌ってきたが、この曲では“定時ダッシュ”と主人公が社会人になっているのが新しいポイント。277万回再生(22年12月15日現在)のMVは、峯岸みなみが監督を務めている。

夏の象徴であるひまわりに囲まれる中に組まれたセットで、週末に会う好きな彼氏のためにケーキ(ウィークエンドシトロン)を作るという内容だ。レモンカラーの衣装でわちゃわちゃするメンバーの表情がとにかくかわいい。

その合間に入るラップパートでは、一転して大谷、齋藤樹愛羅、佐々木、野口、諸橋、山本がガールクラッシュな姿を見せ、MVのいいアクセントとなっている。ひまわりの中でのダンスショットもとにかく爽やか。ラブリーさあふれるMVだ。

「しゅきぴ」

2020年11月25日にリリースの「青春”サブリミナル”」のカップリングで、佐々木舞香が初のセンターを務めたナンバー。指原莉乃がTikTokでバズることを目指したということだけあり、サビの中毒性ハンパなしの弾けるポップチューン。

582万回再生(22年12月15日現在)のMVは、峯岸みなみの初監督作品でもある。映像は、好きな男子の部屋でひとり留守番するときに女の子はどんなことをしたいのかを具現化したような内容。ワンルームで雑魚寝状態だった全メンバーが部屋を散策し、服のままシャワーを浴びたりとやり放題。

ピンク背景のリップシーンでは、メンバー全員がツインテールというとてつもないガーリー度を爆発させる。佐々木のスネ顔を始め、メンバーのかわいい表情がこれでもかと言わんばかりに出てくる。最後は部屋でメンバーが歌い踊り、クッションを投げたりとパーティー状態。そして、佐々木への顔面ケーキでフィニッシュというパーフェクトな作品だ。