千葉県内のいすみ鉄道で、鉄道ファンが線路脇の草むらに隠れていたとして、ツイッターに写真が投稿され、あきれる声が上がっている。

貸切運行された国鉄時代からの名物列車を撮ろうとしていたようだが、運転士に見つかり電車が止まる事態になった。いすみ鉄道では、ファンの行為について、「危ないですので、止めていただきたい」と苦言を呈している。

迷彩の中からレンズだけ出していた

脚立で固定したカメラに被せているのか、迷彩柄の布のようなものからレンズが覗いている。その奥の草むらでは、白い服に緑色の帽子を着けた人の姿が見える。この写真は、2022年12月11日にツイッターで投稿された。

さらに、もう1枚が投稿され、白い服を着た人の後ろ姿が写っていた。

いすみ鉄道を走った国鉄時代のディーゼル車両「キハ28」は、11月27日に定期運行を止めたが、12月11日は団体貸切で運行されており、その車内から撮影されたらしい。線路脇なら、列車に接触しかねない危険な状況だった。

キハ28は、いすみ鉄道がJR西日本から譲渡を受け、13年から主に観光列車として土日祝日に運行していた。国内ではいすみ鉄道だけで走っていたが、老朽化が進むなどしたため、惜しまれつつ引退した。23年2月上旬まで不定期で貸切運行された後、国吉駅で保管される予定だ。

線路脇に鉄道ファンがいたとされる状況について、第三セクター「いすみ鉄道」(千葉県大多喜町)の営業課は13日、J-CASTニュースの取材に説明した。

運転士は、40代ぐらいとみられる男性に危ないと注意

その説明によると、キハ28は12月11日、上総中野駅を出て大原駅方向へ向かう途中、正午ごろに西畑―総元両駅間で、列車の運転士が線路わきに人を見つけた。

運転士は最初、遠くに何か動いたのが見えたが、人とは分からなかった。近づくと、人と分かって、通常のブレーキ操作をした。線路脇には、40代ぐらいとみられる男性がカメラを持っており、運転士は、危ないと男性に注意した。

「男性の方は、カメラを持っていましたので、鉄道ファンと思われます。マナーのいいファンは多いですが、線路脇に入る人もたまに見かけます。こうした行為は、危ないですので、止めていただきたいと思っています」

男性は、線路上にいたわけではないため、警察への通報は行わなかったという。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)