作品と真摯に向き合い、インタビューでも言葉のひとつを慎重に選び紡いでいく山﨑賢人。

2022年は、映画『キングダム2 遥かなる大地へ』や、日曜劇場『アトムの童（こ）』（TBS系）で主演を務め、観る者を魅了してきた。

次に待つのは、12月22日、いよいよシーズン2が全世界で配信されるNetflixシリーズ「今際の国のアリス」。山﨑と土屋太鳳が主演し、佐藤信介が監督を務める本シリーズは、麻生羽呂による同名人気漫画を実写化したサバイバルドラマ。2020年に配信されたシーズン1は世界70カ国以上でTOP10入りする大ヒットを記録し、世界中が待ちわびている作品の続編だ。

生きる意味を見失っていたアリス（山﨑）やウサギ（土屋）たちが、元の世界に戻ることを希望にして、“今際の国”の謎を追いかけ、命をかけた“げぇむ”に挑む今シリーズ。

生きるか死ぬかの極限状態を演じることに「しんどいこともあった」と語りながらも、山﨑は「生きる」ことに向き合い、作品を通して「人生は心の持ちよう」と実感したという。ポジティブに人生を捉える力を手にして、山﨑は「この世界を生きていく」と力強い言葉を残した。

取材・文／井上由佳　撮影／後藤倫人

既存の価値観にとらわれず「自分がどんなふうに生きたいか」

「今際の国のアリス」シーズン2、拝見しました。前作を上回る難易度とスケールの“げぇむ”に挑むアリスたちが描かれますが、過酷な戦いに立ち向かうアリスの表情や眼差しに引き込まれました。常に極限状態にいるアリスはエネルギーのいる役だったと思うのですが、どんな気持ちで臨みましたか？
極限状態に追い込まれたシーンを演じるのはやっぱりしんどいんですけど、極限状態を表現することがこの作品の魅力なので、「ちゃんと表現したい」という思いで、気合いを入れてやっていました。

シーズン1で共演したメンバーと再会して、また一緒に撮影するのはすごく楽しかったですし、大変なことも乗り越えて一緒に作品をつくってきたという思いがあるから、シーズン2で大変なシーンがあっても、アリスとして気持ちを入れてできたことはたくさんあります。
共演者の方たちの存在が大きかったんですね。とくに土屋さんとは10代から共演を重ねています。撮影中、印象に残っている話はありますか？
（土屋）太鳳ちゃんとは「生死をかけたシリアスな作品なのに、現場の楽しそうな合間を見るとほっとするよね」って。メイキング映像を撮っているときは、ちょっとふざけたりもしていました（笑）。生死をかけた話なのでメンタル的にしんどくなるときもありましたが、そのぶん、撮影の合間に他愛のない話をして息抜きする時間は大切でした。

あとはニラギ役の桜田 通くんと「“悪いやつ”と言われるニラギがもし多数側だったら、“いいやつ”と言われるアリスやウサギは少数側になって、“変わってる”とか、“悪いやつ”と思われてしまうんだよね」って話をして、なるほどなーって。人が決めた価値観にとらわれず、「自分が何を信じて、どういうふうに生きたいか」ということが大事だと思いましたね。
この作品は登場人物が様々な過去を持っていて、悪いやつ、いいやつと二分化できない、人間としての深みを描いているところも魅力ですよね。
そうですね。しょうもない話も深い話も、いろんな話ができる人たちと一緒に撮影できて、すごくいい時間だったと思います。
先ほど、しんどくなることもあるとお話されていたように、過酷な状況の中で生きるアリスを演じて、撮影が終わってからも役に影響されることはありましたか？
撮影している最中は、カットがかかろうが確実にアリスの気持ちになっているので、役に影響されることはあったと思いますね。ただ、撮影が終わればあまり役を引きずらないタイプだと思います。その作品や役を通して、自分にとってプラスになったことだけを残して、次に進むイメージですね。
なるほど。普段はどんな息抜きをされているのでしょう？
おいしいごはんを食べることです。あとは、お風呂が好きなので、銭湯に行ったりサウナに行ったりすることが息抜きになっていますね！

生きることを考えさせられ、ポジティブになれる力をもらった

この作品は生きるか死ぬかの極限状態が描かれ、死を身近に感じることで登場人物は「生きる」ことと向き合います。作品を通して、山﨑さんはどんなことを思いましたか？
キャラクターそれぞれに今までの生き方があって、極限状態に追い込まれたときに、それぞれの生き様が見えてきます。作品の重要なキーワードにもなっているんですが、「仲間の存在」はやっぱり大きいと思いましたね。

あとは「生きたい」とか「生きることを諦めちゃいけない」という気持ち。「人生をどう捉えて生きていくか」ということを、自分自身も作品を通して考えさせられました。アリスを演じて、ポジティブに生きる力をもらいましたね。「この世界を生きていこう」と改めて思いました。
アリス自身も、現実の世界では自分の生きる意味や家族との関係に悩み苦しんでいました。ストレスが多い現実の世界に生きる私たちも、作品を通して勇気をもらえるのではと思います。
「人生ってゲームみたいなもの。もっと楽しみなさい」という、“今際の国”の国民・ミラ（仲 里依紗）のセリフがあるんですが、それに尽きるなあと。

生きていればいろんなことがあるけど、心の持ちようで「人生はゲームみたいなもの」と考えることで救われることもある。いつか命は尽きるのだから、命尽きるまで楽しんだほうがいい、というのが究極かなと思いました。

植物化した東京や渋谷でのカーアクション…映像も進化

シーズン1は70カ国で大ヒットとなりましたが、山﨑さんの周りではどのような反響があったのでしょう？
日本だけでも本当にいろんな方たちから連絡が来て、「『アリス』観た！」「めっちゃよかった！」と言われることも多くて。友達が海外に行って、日本の作品の話になったときに『アリス』の話が真っ先に出てきたという話も聞いて。すごく嬉しかったです。
それは本当に嬉しいですね！ 山﨑さんのインスタでも、海外の方からの反応も多かったとか？
インスタにいただくコメントやフォロワーも、海外の方がすごく増えました。本当に世界中の人に観てもらえてるんだなあって実感しましたね。
大きな反響があったシーズン1に続く続編ということで、プレッシャーもあったのでは？
プレッシャーもあったんですけど、それ以上にワクワク感がありました。シーズン1を観たとき、驚きや衝撃があって、本当にワクワクしたんです。シーズン2は映像もさらに進化していて、植物化した東京が描かれていたり、渋谷でのカーアクションや銃撃戦があったり。

いろんなものがパワーアップしたシーズン2をこれから撮影していく、というワクワクがずっとありましたね。自分自身が作品をすごく楽しみにしていて、しっかり撮影して作品を届けたいと思いました。
確かに、映像がさらにパワーアップしてものすごかったです…！ 実際の現場はどんな感じだったんですか？
もう、目を見張るような現場でした…（感嘆）。すごく大規模な撮影で、大通りを封鎖して車が一回転したり。今まで見たことのない映像しか詰まっていないと思うので、本当に楽しみにしてほしいです。
映像のすごさも、この作品の醍醐味ですよね！
車が爆発したり、車が車に突っ込んだり…、普段の生活で絶対に見ない出来事ですし、本当にすごかったです！

山下智久のオーラがなければ、キューマは体現できなかった

シーズン2では、新キャラクターのキューマを山下智久さんが演じます。アリスに大きな刺激を与えるキューマは、原作と同じく服を着ていない姿が印象的です。山下さんとの共演はいかがでしたか？
あれだけの肉体を維持するのはすごく大変な作業だと思うのですが、山下さんは完璧に仕上げてこられていて、本当にすごかったですね。

人間なのか宇宙人なのか？という奇妙な存在で、アリスにとって大事なことを伝えてくれるキューマを、山下さんが体現されていて。山下さんが長年積み重ねてきた経験や生き様を、キューマに乗せてアリスに伝えてくれたので、すごく響きました。
キューマの生き様に、アリスは影響を受ける
山下さん演じるキューマには心を掴まれました。引き締まった体も素晴らしかったですが、体づくりのことでもお話されましたか？
「何を食べてるんですか？」「鶏肉だよ」とか「どの部位を鍛えてるんですか？」とか、そんな話をしてました。山下さんのいろんなドラマを観ていたので、共演できてすごく楽しかったです。
キューマが初登場の際は衝撃でした。実際の現場でも、裸のままで…？
それは自分の口からはあんまり…山下さんに聞いてください（笑）。作品の中でも「なんで裸なの!?」から始まるので、実際の現場でもみんながリアルな反応を表現していて面白かったです。本当に、山下さんのオーラがなければ、キューマは体現できなかったと思います。

佐藤監督との再タッグ「監督自身がワクワクして現場にいる」

シーズン1に続き、佐藤信介監督とのタッグはいかがでしたか？ 迫力あるアクションシーンはもちろん、登場人物の心情を細部まで深く描ききった監督の力量を改めて感じました。
監督とはシーンごとに細かい話をしていましたが、自分の中でアリスという役はシーズン1で出来上がっていて。監督が自分に任せてくれていることを感じて嬉しかったですし、自分も自信を持ってアリスをしっかり演じようと改めて思いました。

監督とは長くご一緒させていただいているのですが、自分がうまくできていないと思うときは、何回も一緒に粘ってくれて、すごく心強かったです。
監督が山﨑さんを理解して信頼関係が築かれているのですね。
これだけの大作を撮影していても、すごく臨機応変に、役者の気持ちに寄り添ってくれて、対応してくれるんですよ。俳優陣としてはすごくやりやすいです。

ひとつ場所が変わるだけで、CGがものすごく変わることもあるんですが、「そっちに動きたくないよね？ じゃあやめましょう」と、変な空気にせず言ってくださって。そういうところが本当にすごいなと思います。

あとは、監督自身がすごくワクワクして現場にいらっしゃるので、「これから面白いものができていくぞ」と、みんながワクワクして撮影に臨んでいましたね！
※タイトルが「山崎賢人」となっておりますが、「崎」の字は「﨑（たつさき）」が正式表記です。
山﨑賢人（やまざき・けんと）
1994年9月7日生まれ。東京都出身。A型。2010年に俳優デビューし、翌年公開の『管制塔』で映画初主演を飾る。2015年にはNHK連続テレビ小説『まれ』に出演し、映画『ヒロイン失格』、『orange-オレンジ-』などで第39回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。そのほか主な主演作として、ドラマ『トドメの接吻』（日本テレビ系）、『グッド・ドクター』（フジテレビ系）、『今際の国のアリス』（Netflix）、『アトムの童（こ）』（TBS系）、映画『劇場』、『キングダム』、『夏への扉 -キミのいる未来へ-』、『キングダム2 遥かなる大地へ』など。

作品情報

Netflixシリーズ「今際の国のアリス」シーズン2
2022年12月22日（木）Netflixにて全世界独占配信
https://www.netflix.com/jp/title/80200575

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、山﨑賢人さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2022年12月20日（火）12：00〜12月26日（月）12：00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日／12月27日（火）
  • 当選者発表方法／応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ／当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから12月27日（火）中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき12月30日（金）までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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