国際サッカー連盟(FIFA)は5日、カタールW杯D組第3節・チュニジア代表フランス代表に関するフランスサッカー連盟(FFF)からの訴えを退けたと発表した。

 対象となったのは、1点ビハインドで迎えた後半アディショナルタイムでの判定について。FWアントワーヌ・グリーズマンがゴールネットを揺らして得点かと思われたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入を経てオフサイドで得点取り消しになった。試合は0-1でフランスが敗れた。

 ただ、FFFが指摘したのはオフサイドの理由ではなく、VARの介入に関するもの。ゴールイン後のチュニジアがキックオフするタイミングで、主審は笛を4度吹いて試合終了と判断。その後に主審による映像確認が行われた。VARは試合終了の笛が鳴った後でも介入することができる一方、プレーが再開した後は介入できない。試合終了の笛は通常3回吹かれる場合が多いため、主審がキックオフを認める(プレーを再開する)笛を吹いた後に試合終了と判断したのではないかというのがFFFの意見だ。その場合はVARが介入することはできず、得点を取り消すこともない。

 FIFAは訴えを退けた理由を明かしていないが、競技規則で「主審の判定が最終」と定められている点や、「VARの誤った判断で試合が無効になることはない」と定められている点が理由と思われる。

 いずれにせよフランスはグループリーグを首位通過しており、既にベスト8入りも確定。連覇に向けて大きな影響はなさそうだ。