(写真・JMPA)

 12月3日から決勝トーナメントに突入しているサッカーのワールド杯。今大会で何度もクローズ・アップされている「VAR」(ビデオ・アシスタント・レフェリー)だが、そのVARを巡る「ある発言」が大炎上している。

「ワールドカップには世界最高の審判が揃っている。とくに大会後半のトーナメント戦では。だから、グループリーグが終わったところでVARをやめるべきだったと、説得力のある主張がある」

 こう発言したのは、元イングランド代表のスタン・コリモア氏。英国の大衆紙「ミラー」12月3日付で「VAR廃止論」を展開した。記事によれば、コリモアはもともとVARの“擁護派”だった。しかし、12月1日のアルゼンチン対ポーランド戦で、ポーランドGKがメッシに対する反則を取られたのは、「私がこれまで見た中で最悪のVAR判定」だと断言。「過去150年以上、世界中のあらゆるサッカーの試合で、あのプレーでペナルティを取られたことはない」と批判した。

 コリモア氏の批判は、日本対スペイン戦での“VAR弾”にもおよび、「あのボールがインと判定されたことは道徳的に間違いであり、常識に欠けている」と語っている。

 これに対し、SNSでは「ルール変更」がトレンド入り、批判が巻き起こっている。

《「道徳的に間違い」って何だよ笑。アジア勢が台頭してきてイチャモンつけてるだけだろ》

《気に食わないルールに従う必要はないという傲慢さは欧米の伝統かなんかなのか》

 さらには、

《欧州スポーツのダメなところが全て出ている発言ですな。スキージャンプや柔道でルール変えまくるのと同じ》

《日本に有利なジャッジには、すぐ物言いをつける欧米しぐさが始まった》

という意見も少なくない。

「1956年メルボルン五輪の、競泳男子200m平泳ぎで日本の古川勝が潜水泳法で金メダルを獲得すると、その直後に国際水泳連盟はルールを変更し、潜水を禁止しました。1988年ソウル五輪で、鈴木大地がバサロ泳法で金メダルを獲得した後にも、ルールが変更されました。

 こうしたスポーツ界でのルール変更はほかにも多数あり、スキージャンプで日本勢が活躍するたびに、板の長さの規定などが変更されるのは有名な話です。モータースポーツでも、F1では1988年限りでターボエンジンを禁止し“ホンダいじめ”といわれたレギュレーション改正があったり、マツダのロータリーエンジンが1992年の『ル・マン24時間耐久レース』から使用禁止となったりしています」(スポーツライター)

 そんななか、またも浮上したルール変更論争。今後も波紋を呼びそうだ。