今季26試合の日程を終えた国内男子ツアー。ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は5日、都内のホテルで「ジャパンゴルフツアー表彰式」を行った。今季は27歳の比嘉一貴が賞金王となり、26歳の星野陸也、24歳の岩崎亜久竜が賞金ランキング2位、3位に入るなど20代の若手選手の活躍が目立った。今季優勝者の平均年齢は28.23歳と、2010年の29.64歳を上回る最年少のシーズンとなった。
若手をけん引した存在は、最優秀新人賞を受賞した24歳の桂川有人だろう。この日の表彰式ではドライバーが飛んで曲がらない男を示すトータルドライビング部門とパーオン率部門の2部門で1位を獲得するなど、ショット力が持ち味である。
2020年10月にプロ転向した桂川は、21年は下部のABEMAツアーで優勝を遂げるなど賞金ランキング3位に入り、22年前半戦の出場権を獲得。今季は、3戦目の「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」でツアー初優勝を遂げた。優勝と2位3回を含むトップ10入り8回をマークして賞金ランキング5位に入った。
この1年を振り返ると「出来すぎです。こんな1年になるとは思っていませんでした」と話す。開幕前は賞金ランキング30位以内に入って最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に出場することを目標にしていた。
想像以上の活躍に特別なことをやったわけではないという。「特別難しいことをするわけではないんですけど、目の前の1打をどう少ない打数でカップインするかっていうのを常に考えてやっていった結果です。プロのトーナメントに出て経験して、自然と成長できたと思います」。試合を戦いながら1打でも少なく上がることを考えた結果、力をつけていった。
シーズン序盤で初優勝を遂げると「思いのほかいいプレーができたので、目標はガラっと変わってきました」。シーズン中盤では賞金王を狙える位置にいたが、「PGAツアーに出たいという夢があった」と、同ツアーにつながる下部のコーンフェリーツアーの予選会受験を決意した。11月に渡米して4日間戦い、40位までに与えられる出場権確保にはわずかに及ばない45位タイと出場は微妙な順位だが、出られる試合には積極的に参戦する予定だ。またアジアンツアーも視野に入れて戦う場所を広げ、「日本と海外で複数回優勝できる選手になりたい」と話す。
今季は初出場の海外メジャー「全英オープン」では日本勢最上位の47位タイに入り、国内で開催された「ZOZOチャンピオンシップ」(53位タイ)も経験。世界のトップ選手と回ったことで感じたこともあった。「(世界の舞台でも)あまり難しく考えずに打って、乗せて、入れるというシンプルさを忘れないようにすれば、そんなに難しいことではないと思います。1打でも少なく、どれだけシンプルにできるか。やることは一緒だと思います」。今季の国内での活躍と同じように成長しながら世界でも戦う構えだ。
来年に向けての課題もある。「オフはティショットの安定性を上げたいというのと、ショートゲームをもっとレベルアップしたい」。トータルドライビング王は、さらなる向上を目指している。「大事な場面で曲げちゃったり、いい流れのときに曲げることがありました。気持ちの問題かもしれませんが、今年は悪いほうに行きがちだったので、いいほうにいくようにしたいですね。自然とよくなるパターンもありますが…」。データだけではわからない、自己分析をした上での課題を改善したい。オフは大好きなプロレス観戦を予定しているが、あまり時間がないかもしれない。
<ゴルフ情報ALBA.Net>
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