2021年10月に飲食店への制限の全面解除を発表した熊谷俊人・千葉県知事(写真・時事通信)

 12月2日、熊谷俊人・千葉県知事が自身のTwitterで投稿した内容が波紋を呼んでいる。

 新型コロナウイルスの新規感染者が5331人(前週比で260人増加)と報告されたこの日、熊谷知事は一連のツイートでこう発言した。

《昨日、代表質問で答弁しましたが、県教委としてガイドラインを改定し、学校行事において入場制限を原則行わない方針を県立学校や市町村教委に周知します。

 これまでも入場制限の規定はありませんでしたが、「座席間を概ね1〜2m確保する」という部分が学校現場に影響していたため、明記したものです》

《黙食の見直しについても同様に周知します。文科省の通知には相変わらず「感染状況も踏まえつつ」と記載があり、これが拡大解釈を生む可能性があるので、この部分についても「レベル4のような医療ひっ迫期を指すわけで、感染が拡大していたら萎縮しろということではない」との趣旨も入れます》

 11月29日に、文部科学省は全国の教育委員会に「従前から必ず『黙食』することを求めてはいない」との通知を出した。

 これは、政府が11月25日に、国民向けの「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を変更し、「飲食はなるべく少人数で黙食を基本とし、会話する際にはマスクの着用を徹底すること」の記述を削除したためだ。

 熊谷知事の投稿はそれを受けて、文科省からの通知に“千葉県独自のガイドライン改定”をおこない、「黙食」「入場制限」などの緩和に舵を切り始める宣言だった。

 これだけならよかったのかもしれないが、この後のツイートがいちばんの波紋を呼んでいる。千葉県在住の小説家・北里紗月氏が「黙食の見直し」の熊谷知事のツイートに、

《黙食が何の自粛に当たるのか不明です。給食時、短時間の黙食はメリットこそあれ特にデメリットはないと考えます。

 また、対面給食+黙食の指導をしている学校もありますがメリットが分かりません。喋りたくなる環境を作り、会話禁止は意味がないと思います》

と、リプライをしたのだが、熊谷知事はこれを引用する形で、こう反応したのだ。

《では、貴方は全ての食事において他人と対面せず、かつ黙食を今後も続けて下さい。教室のように換気が十分な環境で、管理者も居て、前向きに着席した状態での、大声でない会話すら規制することを子供に強いることを望むのですから、当然自らもされているのですよね?》

 さらに続けて、

《千葉県では県民にも飲食店にもそのような要請はしていませんし、教職員が自らそのようなことを実践しているわけではないので、学校における合理的な範囲での黙食見直しを推進します。個人の要望は尊重されるべきで、お子さんは換気が十分でリスクの低い窓や廊下に近い席で食事をされれば良いでしょう》

と、ツイート。県民からの「疑問の声」に突如、対決姿勢を全開にしたのだ。

 こうした熊谷知事の発信について、賛否含めて、さまざまな意見が相次いでいる。

《「なるべく喋らない」のと「絶対喋ってはいけない」のは全然違うと思います。うちの子の小学校は給食中「絶対喋ってはいけない」「他の人の方を向いてはいけない」です。普通に給食を食べさせてあげたいです 応援しています!》

《前向き&黙食はメリットしか無いように感じます。机を移動させる時間の短縮、話さない事で時間内に食べ終わる子が増えるのでその分昼休みたっぷり遊べる。15分で食べおわらくてはいけないので話すのは休み時間で良いと本人達は言っております》

《今回の千葉県知事のアレ、医療関係者になにか言ったうんぬんより「そんなに言うならお前の子供は窓際で食えよ(意訳)」

 これだなあ、やっぱり 子どものことを想った提言というタテマエが全部ぶっ飛んだよコレ》

《千葉県知事のあの意見は100%「言い方」で損してる感じがする》

 3期、約12年にわたって千葉市長を務めていた熊谷知事は、2021年3月に過去最多140万票あまりを獲得して、千葉県知事に当選した。

 千葉市長時代からSNS発信を積極的におこなっており、2021年8月には東京パラリンピックの「学校連携観戦」の際にも、Twitterで自らの意見を10件にもわたりツイート。

 当初、観戦実施を検討していたが、県民から反対意見が相次ぎ、最終的には中止の判断をおこなったこともあった。

 政治家の「聞く力」とインターネット上の「論破」が、ごちゃまぜになっていなければいいが……。