巨人から自由契約のメルセデスは、セイバー指標「WAR」で全助っ人中トップ

 巨人から2日に自由契約となったCC・メルセデス投手をセイバーメトリクスの指標で見ると、高い貢献度が浮かび上がってくる。株式会社DELTAのデータによると、平均的な選手と比較したときにチームの勝利にどれだけ貢献したかを示す指標「WAR(wins above replacement)」では、今季NPBに在籍した助っ人でトップとなる「2.9」。貴重な先発左腕ということもあり、獲得を狙っている球団があっておかしくない。

 選手の貢献度を測る上で、最もポピュラーといえるのが「WAR」。打撃や守備、走塁、投球を総合的に判断し、投手と野手の違いも越えて選手を比較できる“便利指標”でもある。メルセデスは今季20試合に先発して5勝7敗、防御率3.18と、勝敗を中心に見ると見ると今一つ。その一方でWAR「2.9」は、ヤクルトで9勝したサイスニード(2.8)、同僚のアダム・ウォーカー(1.5)、一塁手部門でベストナインのホセ・オスナ(0.2)らを上回り、助っ人では12球団トップの数字だ。

 投球内容で見ると、平均5.5イニングと早めの降板が目立つ。2018年からの5年間で、最も悪かった年でも防御率3.77と安定していながら、2桁勝利に一度も到達していない一因と考えていいだろう。球団別の対戦成績で見ると、今季は3試合に先発して防御率1.65と、リーグ優勝したヤクルトをカモにしている。反対に阪神には、3試合で防御率5.40と打ち込まれている。

 新天地の候補としては、5回を抑えれば6回以降は盤石のリリーフ陣でつなげられる球団が最適だろう。DeNAは今季、山崎康晃、エスコバー、伊勢大夢、入江大生と勝利の方程式を確立し、新助っ人としてウェンデルケンも獲得した。今季はヤクルト相手に9勝16敗と大きく負け越して優勝を逃しただけに、狙っていてもおかしくはなさそうだ。

 他には、カモにされているヤクルトにもハマりそうだ。独特とも言われる神宮球場のマウンドとの相性の良さに加え、対戦を避けられるメリットも生まれる。NPBに残るのか、はたまた海外に新天地を求めるのかはまだわからないが、貢献度トップを誇る左腕の去就に、注目が集まっている。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。