食品や公共料金の相次ぐ値上げ、続く円安と家計への打撃は大きく、防衛するのに精いっぱい。ところが、そんななかでも貯金街道を突き進む主婦がいる。それが元eggモデルの水野祐香さん(43)。

【写真】元ガングロギャルおすすめの100均一グッズはこれ!

貯金の動機は独立、ギャル魂の節約

 節約主婦といえば、「地味で堅実」というイメージがあるが、水野さんはなんと元祖ガングロギャル。

「当時はギャル雑誌の読者モデルをやっていて、見た目はガングロでパリピ。でも、そのころから貯金はしていました。というのも、実家を出てひとり暮らしをするために、親を納得させるだけのお金を貯めないといけなかったんです」(水野さん、以下同)

 ギャル時代に節約をするのは大変だったのでは?

「母がスーパー倹約家でその姿を見て育ったので、同年代の子に比べて、節約する方法は知っていたんです。そのせいか大変さは感じませんでした。主婦とギャルでは違いすぎるけど、楽しそうに倹約していた母を間近で見ていたので、自分も楽しみながら節約する方法を探しました」

 ガングロギャルが倹約家だったとは意外だが、ギャル魂に宿った鉄の意志を貫いた。引っ越し資金の他に100万円を貯めて22歳のときに晴れて上京し、夢の独立を果たしたのだ。

 水野さんは上京後も貯金を続け、29歳になるころには貯金1000万円を達成。結婚し、2人の子どものママとなった現在では貯金総額は2000万円を超えた。しかも、最近2軒目のマイホームを購入するほどの貯めっぷり。

それも投資なしというから驚きだ。これだけ貯金を続けてこられたのはゆずれないこだわりのおかげだという。

「本当にやりたいことは我慢しないのが私のポリシー。私も旦那もふつうの収入しかありませんが、メイクもファッションも仲間とワイワイするのも全部諦めたくない。

 そのなかで貯金する方法を考えるのが醍醐味です。安く楽しめることは思ったよりもたくさんありますよ」

 楽しいことが大好きなギャル魂を持ちながら、2000万円の貯金、2軒目のマイホームと次々に目標を達成している水野さんが実践している貯金術をご紹介しよう。

節約ワザ1 洋服とコスメはプチプラでじゅうぶん!

 おしゃれが好きな人は洋服代がかさみがちだが、プチプラに限れば節約度は大。水野さんもかつてはイタリアのブランドものも平気で買っていたが、「高くていいものでも、結局一生モノにはならない……」と感じ、買うのをやめたのだとか。

「シーズンごとに新しい服を買ってテンションを上げたり、ワクワクしてお出かけすることが大事だと気づいたんです。だったら、プチプラでその幸せを満喫するほうをとります!」

 コスメも同じ。ギャル雑誌ではライターもやっていたが、プチプラでも優秀な品質のものがたくさんあることを知って以来、プチプラコスメを愛用。

「スキンケアは年齢に応じてデパコスを買ってもいますが、メイク用品はほぼプチプラ。安くてかわいくて今っぽいものがあふれている時代。洋服もコスメも、いいものを見つけたときの喜びは高い買い物に勝ります!」

節約ワザ2 ネイルサロンにはもう行かない

 以前は当たり前のようにネイルサロンでケアをしていたが、いまは自分でケア。月イチのサロン通いを一切やめ、「安くても1回4000円以上するので、これだけで年間4万8000円浮きました!」

 実は時間の捻出がおっくうになってのことだったが、当初ヒビ割れしていた爪も2年半通わないうちに強くなるという思わぬ効果が。おかげでいまは1本1200円のマニキュアで美しい爪を保てるようになった。

「差し引き4万6800円の節約。これだけあればちょっといいホテルに1〜2泊できちゃう。当たり前だと思い込んでいる出費も実は見直せるんです」

節約ワザ3 見栄を張るためのハイブランドは買わない

 モードの第一線を発信しているハイブランドのバッグや小物は「おしゃれで品質もいいし、欲しくて当たり前」と水野さん。しかし、本人はかなりの数のハイブランド品をリサイクルなどで手放した。

「カジュアルなママファッションには合わず、クローゼットで眠っていたものも多かったんです。思えば、持つことで他人によく思われたいという承認欲求の表れで買ったもの。すごくムダな出費でした」

 以来、「ハイブランドだから欲しい」という買い方は絶対しないが、まったく買わないわけではない。

「日常で使えるお財布などはアリだなと。見栄ではなく、自分のためになら、お気に入りをひとつ持つ満足感も大切です」

節約ワザ4 サブスクを定期的に見直す

 動画や音楽の配信サービスなど、一度契約するとずっと利用料がかかるサブスク。月額数百円から2000円弱と、それほど高くは感じないが毎月支払えば年間出費額はかなり多くなる。

「貯金するなら必要最小限に絞りたい。私はAmazonプライム一択です」

 また、自分の知らないところで自動更新されていることがサブスクの怖いところ。

「最初は無料だと思って気軽に加入し、無料期間が終わっても通知が来ないで、そのまま課金されていることも多い。定期的に自分が何に加入しているか確認し、必要なくなったら即解約を」

節約ワザ5 家賃にお金をかけない!

 2軒目のマイホームを購入した水野さんにとって、家は借りるものではなく買うもの。たとえ、やむをえず借りる場合でも「家賃にお金をかけるのはほんとうにもったいない」と断言する。

 実際、若いころに借りていた部屋は古くて相場より安く、さらに友人とシェアして家賃を半減。「普通に借りるよりひと月約7万円くらい安くすんでいました。年間にすると約80万円、10年住んだので総額800万円以上の節約ができていたことになります」

 そのぶんが貯金に回せ、のちのマイホーム購入の土台ができた。

「賃貸はいくら住んでも自分のものにはならない。マイホームが欲しいなら、まず賃貸の出費を減らすことからスタートです」

節約ワザ6 お金減らす「暇な時間」を排除!

 フリーランスの水野さんにとって、「暇な時間」=「お金が減る」。

「フリーランスは仕事がないとそのぶん収入が減るので、若いころから単発のアルバイトをするなど、暇な時間をお金にかえることを意識してきました」

 いまはママになり、暇な時間はほとんどなくなったが、その意識は健在。電車の移動中の時間すら、仕事のリサーチやネタ探しなどでムダにはしない。

 また、暇な時間は浪費のもとにもなる。

「ネットで余計な買い物をしたり、ゲームに没頭して課金したり、ランチに出かけたりとついついお金を使っちゃいます。探せば単発や短時間のパートはいくらでもあるので、まずは、自分の時間をお金にかえるためになにか行動を。その時間、使うか稼ぐかで大きく差がつきます!」

節約ワザ7 貯金は残ったらではなく先取り!

「お金を貯める最大のコツが『先取り貯金』。貯金が増えないと悩んでいる人こそおすすめです」

 水野さん自身も、働き始めた20歳のとき、給料から直接引き落とされる「自動積立定期」を月2万円ずつ20年間続けてきた。使った残りを貯めるのでは使いすぎたら即アウトだが、最初から引かれれば確実に貯められる。

「先取り貯金は設定金額が重要。ちょっと我慢すればなんとかなる苦しくないくらいの金額にするのがコツ」

 自分のパートの給料だろうと、旦那の給料だろうと、給料日直後に即引き落とされるシステムを作れば、あとは自動的に貯まっていくだけ!

節約ワザ8 老後資金の準備に「早すぎ」はない

 老後資金は短期でなんとかできるものではない。まだ先と思わず、少しずつでも貯め続けることが重要。

「特に私は20年間フリーランスで会社務めの経験なし。国民年金だけでは不安なので、2年前からiDeCoで私的年金を積み立てています」

 掛け金が全額所得控除で運用益は非課税、60歳まで引き出しできないので、退職金代わりになる。

「専業主婦だった母の国民年金は、会社員だった父の厚生年金より月額21万円以上も少なかった。このままではまずいと始めました。自営業、フリーランスの人は絶対やるべき。これからは自分のお金は自分でマネージメントを」

水野祐香さんおすすめ 貯金に効く100円グッズ3

 安くて価値のあるものを見つけるのが大好きな水野さんは、100均パトロールも欠かさない。足で見つけた有名メーカー品と遜色なしの厳選グッズをご紹介。

Seria「厚手かや織りふきん」/ 100円

〜厚みとふわふわ感が優秀!大人気商品「白雪ふきん」にも劣らない〜

 水野さんがキッチンで台ふきんや食器拭きに愛用しているのが、かや織りふきんの定番『白雪ふきん』。ふわふわと厚く、吸水性が抜群なところがセレクト理由だ。

 ところが、これとほぼ遜色ない性能の「厚手かや織りふきん」をセリアで探し出した。

「厚みがあって100円とは思えない。洗って乾燥機にかけた縮み具合もふわふわ感も本家と同じくらい。ちょっとサイズが小さいけど、400〜500円するものが100円で買えるんだから、これはリピ買い必至!」

DAISO「シリコン調理スプーン」/ 200円

〜無印のヒット商品の半額以下で高機能〜

 大ヒット商品の無印良品・シリコン調理スプーン。これにそっくりのアイテムがDAISOで発売されているのだ。値段は200円と半額以下。

「半信半疑で持っていた無印の調理スプーンと比べてみたら、重さもサイズも使い勝手も似たり寄ったり。なのに、DAISO商品には直置きにならない突起までついてるんです! うれしい!」

 食洗機にも入れられるので食洗機ユーザーにもおすすめだ。

DAISO「フタがとまるマスクケース」

〜マスク専用ケースは100円のもので十分合格点!〜

 毎日の必需品のマスクは、玄関にまとめて置き場を作っている水野さん。

「箱のままでは見た目も取り出しやすさもいまイチなのでケースに入れ替えたい。そこで使ってみたのがこれ」

 不織布のマスク30枚がぴったり入るだけでなく“フタがとまる”という特徴に着目。

「シューズボックスの側面に面ファスナーで取り付けてみたら、フタがカチッととまって落ちてこないのがいい。片手で出し入れができて使い勝手がいいです!」

 同じような商品は軒並み200円以上するので、半額でこの機能は買い!

教えてくれたのは……水野祐香さん●雑誌『egg』のギャルモデルとしてデビュー。ゴングロ3兄弟With Uとして人気を集めた。2016年に女児を出産後、雑誌&WEBライター、モデル、YouTuberとマルチに活動の場を広げている。チャンネル登録者数は約10.5万人にものぼる。

(取材・文/野沢恭恵)