いつもと変わらぬ朝に、突如として、「井戸水をくみたい!」という衝動にかられたとある女性。その行動に突き動かされるように、女性の家族や、周辺地域も同じように井戸水をくみあげた直後に大地震が発生。地域の水道は断水してしまったが、水をくみ置きしていたことで、その地域の人々は難を逃れたという不思議な話。

【漫画】荒唐無稽な心霊ホラーにはないリアリティが読者の心をつかむ ~本編

 Twitterにこのショート漫画が投稿後、「ほんと不思議だ」「私も似たような経験したことある!」など、次々とコメントが寄せられ、大きな反響を得た。こうした不思議な話を『人から聞いた不思議な話を漫画にしてみた』というタイトルで投稿しているのが、漫画家のみつつぐさん(@mitutugu)だ。この一連の作品は、どのようなきっかけで生まれ、読者を惹きつけているのか。その秘訣を聞いた。

 そもそも、みつつぐさんは、『霊感なんてないと思ってた』(ぶんか社)などの実話怪談作品を次々と手掛けるホラー漫画家としての顔も持っている。その中で、これまで人から聞いた怖い話をまとめてみようという思いで、この『不思議な話』は誕生したという。現在では、70編を越える一大作品となっているが、どのようにネタを集めているのだろうか。

 「周囲にいる、付き合いが長い友達や知り合いは、私がこの手の話が好きだと知っているので、聞いたら話してくれたりLINEで送ってくれたりしてくれます。自分の話も少量ですが、入っています」と教えてくれた。

 この作品は、荒唐無稽な心霊ホラーにはない、思わず“実際に遭遇しそう”と感じてしまう、リアリティが読者の心を掴んでいる。その証拠に、みつつぐさんによれば、読者の中には自分の経験と照らし合わせ、「そういえば、こんなこともあった!」と、どんどん記憶が蘇っていく人も多いという。その点において、みつつぐさん自身も「大きく日常から外れた怪異ではなく、日常の中にさりげなく怪異が紛れ込んでいるところが 初見でも読みやすくて良いのではないかと思います」と話す。

 ホラーや怪異な漫画が評判を呼ぶ、みつつぐ作品は、来年には2冊同時にコミックスが発売されるという。「来年、嘉門七海先生実話原作『七海さんのオバケ生活」』と、こちらの『人から聞いた不思議な話を漫画にしてみた』をまとめたものが2冊同時で発行されます。どちらも怪談や不思議な話を好きな方興味ある方ならとても楽しめる本だと思います」。実体験だからこそ味わえる、このリアルな恐怖を、ぜひ体感してほしい。

(よろず~ニュース特約・橋本未来)