タイヤ交換時期は盗難に要注意

 例年10月から12月頃は、夏用タイヤから冬用タイヤへタイヤ交換をする人が増えるシーズンです。
 
 そうしタイヤ交換をする際に、気づけば自宅に保管してあったタイヤが盗難被害にあっていた、というケースが存在するようです。
 
 どのような経緯で盗難被害に遭うのでしょうか。

自宅にタイヤを保管している場合、盗難被害にある可能性も考慮しておきたい

 カー用品店やディーラーでは、およそ10月後半から冬タイヤの購入を検討する人が増え、豪雪地帯では12月に入るまえにタイヤ交換を済ませておくのが慣例となっています。

【画像】去年のタイヤは使える?「これはアウトー!」 危険な状態のタイヤを画像で見る(10枚)

 一方で、例年同時期には、交換して外し終えたタイヤの盗難も多くなっており、問題視されているというのが事実です。

 そんななか、2022年11月18日に富山県の富山西警察署では、カー用品店の店頭に警察官を配備し、来店客にチラシを配布して声がけするなど、タイヤ盗難についての啓蒙活動をおこないました。

 富山県警によると、県内でのタイヤの盗難は2022年1月から10月までに35件発生しており、去年の同時期より減ってはいるものの、未だ起こり続けているのが実情だといいます。

 富山西警察署の生活安全課の担当者によると「例年、11月から12月にかけての夏タイヤから冬タイヤへの交換のタイミングに加え、4月から5月にかけての冬タイヤから夏タイヤへの交換のタイミングでもタイヤの盗難事件が増加します」とのことで、冬場だけでなく、夏場にもタイヤの盗難が発生しているようです。

 タイヤ交換をおこなった際、外したタイヤは寿命によっては廃棄になる場合もありますが、基本的には自宅に持ち帰って、次の年にまた使用するという人が多くみられます。

 ただ、タイヤ4本となると保管場所にはそれなりのスペースが必要です。
 
 自宅での保管場所としてはガレージや物置、駐車場の隅や庭先の空いているスペース、玄関付近などが挙げられますが、ガレージや物置といった屋内保管はなかなかスペースが取れないという人もいるかもしれません。

 タイヤ交換シーズンの盗難は、こうした屋内保管の難しい人が一時的に、駐車場の隅や庭先の空いている場所、玄関付近などの屋外スペースにタイヤを放置していることから発生が増えており、このシーズンを狙って常習的に盗難をはたらく人もいるそうです。

 盗まれたタイヤの行方について、前出の担当者は「目的は多岐にわたるようですが、転売などを目的に盗難されている可能性が高いでしょう」と話します。

 盗難されたタイヤは発見されることもあるそうですが、見つからないことも多く、泣き寝入りしている被害者が多いのが実情となっています。

被害に遭わないために…タイヤの盗難防止対策は?

 では、タイヤの盗難防止には、どのような方法が挙げられるのでしょうか。

 富山西警察署では、盗難防止対策として「鍵のかかる場所にタイヤを保管する」、「タイヤにチェーンをかけて複数本をまとめる」、「タイヤに自分のものである印をつけておく」の3つを挙げています。

 鍵のかかる場所にタイヤを保管することは大前提として効果的な対策ですが、タイヤにチェーンをかけて複数本をまとめたり、タイヤに自分のものである印をつけておいたりしている人は少ないかもしれません。

 タイヤにチェーンをかけて複数本をまとめる理由としては、タイヤ1本1本であれば盗難の際に比較的持ち運びがしやすいのですが、まとめておくことで総重量を重くし、持ち運びをしにくくするという目的があります。

 また、タイヤに自分のものである印をつけておくことについて、前出の担当者は次のように説明します。

「タイヤに印をつけておくことで、盗難されたタイヤが発見された際に、持ち主のもとへスムーズに返すことができるというメリットがあります。

 また、盗難されたタイヤを犯人が使用していたり、転売していたりした場合、印の有無を確認することでそのタイヤが盗難されたものであることを断定できます」

盗難対策をしっかりしておくことが大事

 タイヤへの印はどこにつけても良いそうですが、なるべく消えず、遠くからでも目立つように白ペンを活用するなど、少し工夫するのが良さそうです。

※ ※ ※

 前出の担当者によると、「カー用品店での啓蒙活動では、選別や年齢にかかわらず多くの来場客にチラシを手渡した」とのことで、今後幅広いユーザーがタイヤの盗難が相次いでいる事実について知り、対策を講じてくれることでしょう。