新型セレナフルモデルチェンジ! ライバルへの影響は?

 2022年11月28日に、日産は新型「セレナ」の発表披露会をおこないました。発表披露会の様子はオンライン上でも生配信され、多くのユーザーの注目を集めました。
 
 同じミドルサイズミニバンには、トヨタ「ノア/ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴン」も挙げられますが、ユーザーはどのような部分を比較しているのでしょうか。

ついに出揃った国産ミドルサイズミニバン! 新型セレナが後発だが…トヨタやホンダへの影響は?

 新型セレナは、これまでのセレナの外観を継承しつつ、上下3段になったヘッドライトが近未来的な印象を与える1台となっています。

【画像】さあ…悩ましい…ノアヴォクシー&ステップワゴン…そして新型セレナを実車で比較してみる!(92枚)

 今回の発表披露会では、新型セレナの特徴として、「プロパイロット2.0」「酔いにくい」「積載力が高い」などが挙げられ、先代から大きく進化した快適性が魅力のひとつとされました。

 とくに、酔いにくさは先代に比べて30%も向上させられており、酔いの原因となる縦揺れや横揺れをゆっくり滑らかに抑えるとともに、内装の素材を見直して新車特有の臭いも抑制されているといいます。

 そんな新型セレナですが、同じミドルサイズミニバンには、ノア/ヴォクシーやステップワゴンといった競合が並びます。

 ノア/ヴォクシーは2022年1月、ステップワゴンは2022年5月と、新型セレナと合わせて、歴代を通して初めて同じ年にフルモデルチェンジを遂げました。

 これまで、どれかしらのモデルが数年ずれてのフルモデルチェンジとなっていましたが、同じ年に登場したことで以前よりも比較するユーザーは多いようです。

 SNSでは、「自分のなかで、ノア/ヴォクシー・新型セレナ・ステップワゴンならどれを選ぶか結論が出ました」、「家族で乗るクルマなのでヴォクシー・セレナ・ステップワゴンあたりを見てきて決めた」、「ノアヴォク、ステップ、セレナ…どれもいいなぁ。悩むな」いった声が見られ、4車を比較検討するユーザーも多いことがうかがえます。

 首都圏の日産販売店では「トヨタ『ノア/ヴォクシー』やホンダ『ステップワゴン』と比較して、新型セレナの購入を検討しているお客さまも多くいらっしゃいます」として、次のように続けます。

「セレナは日産を代表するミニバンのひとつとなっており、もともと人気の高いクルマです。

 そのネームバリューと信頼から購入される人も少なくありません。

 セレナの売れ行きに関しては、ノアやヴォクシー、ステップワゴンと比較しても遜色ないようなかたちで、予約受注の件数も好調です」

 比較されやすいポイントとしては、安全性能や燃費性能、居住性などが多いようです。

 大切な人を乗せるクルマとして、万が一の事故を想定した際の安全性や購入後の維持費、長距離走行を見越した快適性などが重視されていることがうかがえます。

 また、前述の販売店はユーザーが注目している新型セレナの特徴について次のように話します。 

「今回の新型セレナは自信を持ってお届けすることのできる新型車となっています。

『e-POWER』や狭いスペースでもラゲージの開閉がしやすい『デュアルバックドア』など、先代セレナからさらにパワーアップした日産にしかない技術を盛り込んでおり、そうした点も引き続き注目を集めています」

 また、中部圏の日産販売店はデザイン面での比較について、次のように話しています。

「性能面やミニバンとしての使い勝手では、もちろん各社で異なりますが、検討されるお客さまは第一にデザインで良し悪しを決められることが多いです。

 いくつかの声を聞いていると、デザインのクセの強さではヴォクシー>ノア>セレナ>ステップワゴンと捉えている人が多いようです。

 そのため、以前からいわれるオラオラ顔を好まれる人は、ノア/ヴォクシーやセレナオーテックに関心を持ち、シンプルなデザインではセレナ(標準)やステップワゴンに関心をもたれるようです」

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 また関西圏の販売店では他社からの乗り換えについて「ノア/ヴォクシーが欲しいけど、納期が長いので新型セレナの購入を考えているという声はいくらか聞かれます」といいます。

 昨今では、新車の超納期化が問題となっています。とくにノア/ヴォクシーは人気ミニバンともなるため1年以上の納車待ち状態ともいわれ、新型セレナを受注開始のタイミングでオーダーしたほうが早く納車される可能性もあるようです。

トヨタやホンダの販売店では新型セレナ出てどんな反響?

 では、すでに発売から1年弱経過するノア/ヴォクシーを扱うトヨタや、半年ほど経過したステップワゴンを扱うホンダでは新型セレナが登場してどのような反響なのでしょうか。

 まず、首都圏のトヨタ販売店では次のように話しています。

「新型セレナが登場したことで、お客さまからはさまざまな反響があります。

 大きくはデザインを見て、ノア/ヴォクシーを待つと決断されるか、新型セレナに行かれるかです。

 いまのところ待って頂けるお客さまがほとんどですが、想像よりも存在感のあるデザインですので、その点を比較されるお客さまは増えるかもしれません。

 ステップワゴンの場合は、デザインが完全に真逆の方向性でしたので、ある意味被らなかったですが、新型セレナは良い競合車になりそうです」

存在感のあるデザインならトヨタ「ノア/ヴォクシー」か シンプル好きならホンダ「ステップワゴン」が気になる?

 一方で首都圏のホンダ販売店は次のように話しています。

「新しくセレナが発表されたことで、お客さまからの問合せも増えています。

 ありがたいことに、SNSなどを見ているとノア/ヴォクシー、セレナよりステップワゴンのデザインが好きという投稿もあるようで、その投稿を見て実車を見に来たというお客さまがいらっしゃいました。

 どのミニバンも7人乗り/8人乗りがあったり、ガソリン車/ハイブリッド車があったり、デザインがいくつかあったりと、比較する部分はさまざまあります。

 そうしたなかで、トヨタ/日産よりはスクエアなデザインが特徴のステップワゴンですので、好きな人にはハマると思います。

 新型セレナが発表されたおかげで、ステップワゴンにも注目頂いてますので、やはり、3社のライバル関係は重要なのだと実感しました」

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 ついに出揃った国産ミドルサイズミニバン。それぞれ個性が詰まったモデルですが、どの販売店でも同様に「以前ほどカタログ数値を意識して比較する人が減った」と話しています。

 その一方でそのクルマの第一印象や使い勝手を気にする人が増えているといい、ユーザーのクルマ選びにも変化が出ているようです。