タクシー乗車中に事故にあったらどうなる?
先日タレントの鈴木蘭々さんがタクシーに乗車中、追突事故に遭ったと自身のブログで語っていました。
幸い怪我などはなかったようですが、事故の様子を「それにしても怖かったぁー 暫く胸がドキドキ……」と回想。「こういう事故は防ぎようがないし、どうしようもないですね……」と記していました。
鈴木蘭々さんの言うように、タクシーであっても事故や違反のリスクはつきもの。もし自分がタクシー乗車中に事故や取り締まりにあった場合、どのような対応をするべきなのでしょうか?
まず大事なポイントですが、タクシー乗車中に事故に遭った場合、乗客は「事故被害者」という扱いになります。そのため、軽いケガだったとしてもタクシー運転手に対して慰謝料を請求することが可能です。
ただし、事故の種類によっては誰に対して損害賠償請求するのかが異なってくるそう。具体的にどのようなパターンが考えられるのでしょうか?
タクシーの単独事故では損害賠償が請求できる
まずは「自損事故」のパターン。単独事故とも言い、相手が存在しない事故のことです。運転する車が電信柱などにぶつかった場合などが該当します。
タクシーは仕事柄、乗客が降りやすい歩道や建物に車を近づけて停車する機会は多いもの。必然的に、壁やガードレールに接触する確率が普通の車よりも高くなると言えるでしょう。
通常は被害を被る相手がいない自損事故ですが、乗客がいるタクシーは別の話。乗客がその事故でケガをした場合、タクシーの運転手や会社は損害賠償を支払う責任が発生します。
続いて「他の車両との接触事故」では、誰に損害賠償を請求すればいいのか、そもそも請求可能かどうかも含めて紹介していきましょう。
他の車両との接触事故の場合、どっちに請求すればいい?
「他の車両との接触事故」でも、乗客は被害者側。事故でケガをした際は、自損事故と同じように損害賠償を求められます。少し厄介なのは、どちらの車両に非があるのかで損害賠償の請求先が異なる点。
タクシーではなく相手車両に全ての過失がある場合、相手の運転手、もしくは相手運転手の勤め先に損害賠償請求をすることが可能です。
たとえば、タクシーが完全に停車しているときに後ろからぶつけられたケース。このように自分の乗車していた車両には非がなく、相手が全面的に悪い場合も接触事故に当てはまるそう。そのため、被害者である乗客の請求相手は「ぶつかってきた相手車両の運転手・会社」となります。
では、乗車していたタクシーにも過失がある場合はどうでしょう。
双方に過失があると認められたケースでは、相手・タクシー会社のどちらにでも損害賠償を求めることができます。
ただし、上記のどのパターンに当てはまるにしても事故の証拠がなくては動けません。事故が起きた際、本来であれば道路交通法により警察に届け出ることが義務付けられています。
しかし乗客側が慌てて「全然大丈夫だから!」なんて言ってその場で通報せずに降りてしまうと、具合が悪くなったときには後の祭り。事故の被害に遭ったことを証明する術がなくなってしまい、治療費などの損害賠償請求ができなくなってしまうことがあります。
タクシー乗車中に事故にあった場合、どんなに急いでいても、必ず通報するようにしましょう。
プロのタクシー運転手ならば、事故とは無縁の安全運転を心掛けて欲しいところですが……万が一の事故が起こってしまう可能性もゼロではありません。
取り締まりにあったら、メーターってどうなるの?
では、事故に遭わなくとも、乗っているタクシーが取り締まりに遭ってしまったら、どうすればよいのでしょうか?
大手タクシー会社の運転手に話を伺ったところ、「基本的にはメーターを止めて、他の車両で送迎を継続することが多い」との回答がありました。
取り締まりをされている最中は料金を支払うことはなく済みそうで、一安心です。
しかし運転手によると、違反は乗客の要望によって起こってしまうことも少なくないとか。
タクシーに乗ったとき言ってしまいがちな「ここで停まってください!」の一言。本来は駐停車禁止の場所であっても、乗客のためを思って停車してしまうケースもあるそうです。そんなときに検挙されてしまった場合、運転手さんもさすがに悔しい気持ちになる様子。
「基本的に責任はドライバーにあるため、罰金はドライバーが支払います。ただお客さんの指示でやむなく違反した場合などには、正直“払って欲しい!”と思うこともありますよ」
好意に仇で返すことがないよう、停車してほしい場所はあらかじめしっかり伝えておく必要がありそうです。
年末にかけて、利用回数が増えてくるタクシー。配車アプリも普及し、以前より一層便利になってきました。乗車の際にはトラブルに巻き込まれないよう、私たちも心掛けなくてはいけませんね。
外部リンクMOBY