28日、敗戦を喫したコスタリカ戦から一夜明けて、日本代表の森保一監督が報道陣の取材に応じた。

敗戦の翌日ということで、「気持ちは切り替わって次のスペイン戦にチーム全体で向かってる」と言うものの、森保監督にいつもの笑顔がない。むしろ記者の質問に苛立ちを覚えているのではないかという場面もあった。

コスタリカ戦について質問されると「ワールドカップの舞台はそんな簡単じゃない。後半に関して言えば、我々はほぼゲームをコントロールしていて、得点のチャンスも作れている」「このワールドカップの舞台でゲームコントロールして試合をできているということは、これはまた一つ日本の成長」と敗戦の中にも明るい材料を見つけていることを挙げた。

さらに吉田麻也の失点に繋がったプレーについて聞かれると、「どんな結果で、どういうプレーがあったとしても、26人を選んだのは私」「試合に向けての起用も私が決断したところですし、戦術的なところ、選手への要求するプレーもすべて私がやっている」とまず責任が自分にあると宣言。

その上で、80分過ぎにボールをキープしようと中途半端なパスをして失点に繋がったことについて、「マイボールを大切にすることは前回のワールドカップを踏まえて」取り組んでいることだと明かす。

そして吉田のプレーは「ミスかどうかは分からない。ミスが起こっても止められる状況ではあった。そういう意味では本当に私の要求をよくトライしてくれている」と吉田を擁護した。

スペイン戦に向けては、ターンオーバーについて「今のチームのコンディションと相手とのかみ合わせのなかで決めていきたい」としつつ、「毎試合勝とうと思って臨んでいる。状況的にボルテージが上がる部分が周りにはあると思うが、私のなかでは、今やっていることを最大限にチームの力、選手個々の力として発揮して勝っていくことに変わりはない」とこれまで同様のスタンスで挑むことを宣言。

また「3戦戦って初めてグループ突破できるかなという想定をしていた」と、グループが決まったときからスペイン戦が決戦になることを考えていたと語り、その上で、「スペインの中心選手や戦術的に大きく変わりはないという部分においては、既にワールドカップの前にいろんな準備はしてきた」と以前から対策を講じていることを明らかにした。

「日々やるべきこと、最善の準備をすることも変わらない。当たり前のことを当たり前にやり続ける。地味なことをやり続けることで、ドイツ戦のような大きな成果にも、結果にもつながる。そこには変わりない」

そして最後にスペイン代表について聞かれると「このチームとして戦えることに楽しみな気持ちになりましたし、試合に勝って、そこを超えていきたい」とやっと笑顔になっていた。


【文:森雅史@ドーハ/日本蹴球合同会社 撮影:岸本勉/PICSPORT】