27日、日本はコスタリカに0-1と敗れ、勝ち点を伸ばすことができなかった。

81分、吉田麻也がふわりとしたロブを守田英正に向かって送った。だがこの曖昧なボールこそコスタリカが狙い続けていた場面だった。鋭く詰めてボールを奪おうとする。

守田は倒れながら足を伸ばして相手よりも先に触ってピンチを防ごうとした。だが千載一遇のチャンスを逃すまいとするコスタリカの動きのほうが素早く、ボールは拾われ、フリーとなっていたフレールにパスが通り、決勝点を決められてしまった。

守田はその場面について聞かれ、「僕があのセカンドボールを拾ったときに、相手より先に触ってクリアするような意図でプレーしたんですけど、結局それが死に体のような形になって、入れ替わるようなシーンだった。落ち着いて相手と正対するようなことができたんじゃないかというのが僕の個人的な反省です」と悔しそうに語った。

森保一監督にとって守田英正のケガはメンバー発表後の誤算の一つだったはずだ。9月のヨーロッパ遠征で遠藤航と見事なコンビネーションを見せ、攻守における要となるはずの選手が古傷を痛めて全体合流が遅れた。

ドイツ戦を前に痛みはなくなったものの心肺機能の回復が遅れていると明かしていた。コスタリカ戦で復帰し、ボランチの2人はレギュラーが揃った。安心材料が増えたことで連勝を飾りたかったところだろうが——。

守田は「難しい展開になりました。ただ試合が残ってるというのは本当にありがたい話なので、そこで(スペインは)強いですけど、もう1回準備して次の試合勝ちにいきたいと思います」と気丈に顔を上げた。

「リスクがある場面全部をセーフティにやる必要もないし、今回は失点に結びつきましたけど、あれをかわしていたら僕たちのチャンスになります。やってはいけないこともあるけれど、ある程度許容してリスクをチャンスに変えていけるシーンもある。今回は反省ですけど、すべてがそうではないと思います」

この強気な姿勢も守田の魅力の一つ。スペイン戦はその精神力がチームを大いに助けてくれるはずだ。



【文:森雅史@ドーハ/日本蹴球合同会社 撮影:岸本勉/PICSPORT】


▼ 久保建英、相馬勇紀

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 守田英正

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▼ 三笘薫

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 鎌田大地

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)